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昭和史発掘

3月22日(金)

職場で、中学生を対象にしたワークショップを開催した。

年明け頃、上司から、

「今年度中に、小学生とか中学生とかを対象に、何かイベントをやってくれ」

みたいなムチャブリをされ、

「ええぇぇぇ!!あと2ヵ月しかないじゃん!」

と困惑しながら、急ごしらえで考えた企画。

幸い市内の中学校から、7名の中学生が参加してくれて、無事に終了した。

なかにはけっこうマニアックな中学生もいて、

(ああ、オレもたぶんこんな感じの中学生だったかもな)

と、中学生のころの自分を思い出した。

あれは、小学校6年のころか、中学に入ってからのことだったか。定かではない。

自分の書いた作文が何かの賞をとって、けっこうまとまった賞金をもらった。

その賞金を持って、ひとりで神田神保町の古本屋街に初めて行った。

そこで初めて買った本が、松本清張の『昭和史発掘』全巻である。

文庫本ではなく、ハードカバーで、全冊揃えでたしか5000円だったと思う。

それを、えっちらおっちら抱えながら、家まで帰った。

考えても見たまえ。小6か中1くらいの「クソガキ」が、神保町の古書街で『昭和史発掘』全巻を買ったんだぜ?

みんながガンダムで盛り上がっているときに、

「石田検事の怪死」

とか、

「佐分利公使の怪死」

とかいったエピソードを、ワクワクしながら読んでいたなんて、どう考えても、かわいくないやつだろ!

さすがに、そのとき読破できたわけではなかった。二二六事件のあたりになると、すっかり挫折してしまった。

でも、いまだに『昭和史発掘』は、私にとって特別な本である。

私は、自分の中学生のころをふり返るたびに思う。

中学生だからといって、バカにしてはいけない。

ナメてかかっては、いけないのだ。

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コメント

 今は昔、中学に入学する春のこと。

 気合いを入れたかったのか、電車に1時間ほど乗って、わざわざ神田神保町の書店まで参考書一揃いを買いに出かけたら、上野駅で刑事につかまりました。

 いがぐり頭にジーパンはいて、(買った参考書を入れるための)ボストンバックまで持って、中学生が「初めてのおつかい状態」で上野駅をうろついていれば、誰だって家出少年だと思うわな。

 本物の「警察手帳」を見たのは、あの時が最初で最後でした。

投稿: こぶぎ | 2013年3月23日 (土) 03時54分

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