My Dear Life
金子哲雄『僕の死に方』(小学館)に触発されて、考えてみた。
私はたぶん、金子哲雄さんのようにしっかりと自分の死を迎えることはできないと思うが、
たった一つだけ、望むことがある。
もし、自分が人生の最後を迎えるとき、
最後に聴きたい曲は何か?
それは、渡辺貞夫さんの「My Dear Life」である。
高校生の時、毎週土曜の夜12時から、FM東京の番組「渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ」を聴いていた。
ナベサダさんの音楽は、いつも、暖かい。
いろいろあった人生の最後に浮かぶのは、ありふれた言葉ではなく、
このメロディなのではないか。
高校生の頃から、ずっと、そんなことを思ってきた。
陳腐な言い回しだが、この曲は、ナベサダさん流の「人生賛歌」なのだ。
かなり照れくさい書き方をするが、この曲を聴くたびに、
「ご苦労さん。よく頑張ったよ」
とか、
「人生って、捨てたもんじゃないんだぜ」
とか、そんな気持ちになる。
だからこれからも、何度でも聴くだろう。
この曲にふさわしい人生をおくっているだろうか、と、たしかめながら。
(以下、蛇足)
…と、ここまで書いて、この曲を作ったときのナベサダさんの年齢を調べてみると、
今の私と同じ年齢の時であることがわかった。
同名タイトルのアルバム「マイ・ディア・ライフ」が作られた1977年、ナベサダさんは44歳だった。
このアルバムをきっかけに、ナベサダさんは、ジャズからフュージョンへと、大きく舵をきる。
ナベサダさんにとっても、人生の転換点となるアルバムだったのだ。
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コメント
はじめまして。
「My Dear Life」を選んでくださってありがとうございます。
私は、貞夫さんのファンなのですが、「CALL ME」が好きで、アルバムもランダムに聞いています。
先日、YouTubuで、この曲を聴き、自分でも驚くほど感動してしまいました。あなた様のおっしゃるように人生賛歌だと思います。
80歳になられた今もご自分の音楽を求めて活動されている貞夫さんを見守っていただけると嬉しいです!!
投稿: めいこ | 2013年3月30日 (土) 10時37分
「Call me」も名曲ですね。「My Dear Life」は、ナベサダさんがこのときどんな気持ちで作った曲なのだろうかと、つい気になってしまいます。
投稿: onigawaragonzou | 2013年4月 1日 (月) 03時04分