2つの後日談
3月12日(火)
昨日午後、私の執拗な聞き取り調査の結果、「書類はすべて捨てられた」ことが明らかになった。
重要な調査データを記したノートや、韓国の研究者からいただいた資料などが含まれていたのだが、今となっては嘆いてみても仕方がない。
当初は「知らぬ存ぜぬ」の一点張りだった清掃担当の方々も、最後には「捨てた」ことを認めた。
こちとら子どもの頃、刑事ドラマを見て育ったからね。私が刑事になったら、「落としの名人」として出世したのではないだろうか。
このトラブルでの唯一の救いは、卒業生で現職員のT君である。
韓国に向けて出発しようと、空港に向かっていた6日(水)の朝8時前、携帯電話が鳴った。T君からである。
「いま、職場のゴミ置き場にいるんですけど、先生の仕事部屋にあった書類とかダンボールというのは、どれくらいのものですか?」
なんと!T君は、私の書類が処分されたという話を聞いて(前日のブログを読んだからか?)、早速、翌朝の出勤前に職場のゴミ置き場で捜索してくれていたのである!
それにしても、なんという共感力だろう。私のためにここまでしてくれる人は、この職場にはほかにいないだろう。
たとえ書類が捨てられ、見つからなかったとしても、自分の職場に自分を支えてくれる仲間がいることがわかっただけで、もう十分である。失ったものとひきかえに、必ず、得るものがあるのである。
「T君には頭が上がらないね」
とは、横で聞いていた妻の言葉である。
さて、捨てられてしまったことを嘆いても仕方がない。私がやるべきことは、ただひとつ。
今回のトラブルは、単なる人為的なミスではなく、背景に組織の構造上の問題が潜んでいる。二度とこのようなトラブルが起きないように、今回起こった出来事をきっちりと分析して、対策を立ててもらえるよう、上層部にお願いした。
どれだけ通じたかはわからないが。
2.ソウルの景福宮駅で別れた学生たち、その後どうなったのだろう?
帰国後、まずN君からメールが来た(無断転載申し訳ない)。
「無事日本に帰ってきました!
翌日もちゃんと水原(スウォン)の華城(ファソン)に行ってヨンボカルビで昼食を食べたあと八達門(パルダルムン)まで行って、そのあと城壁を歩きました。
城壁は一周せずそのあとシンサで女性陣の買い物に付き合い、その後ミョンドンの街を楽しみながらお土産を買いました。
本当にありがとうございました。おかげで楽しい旅になりましたし、留学中のOも久々に先生にお会いできて喜んでました。
奥様にも「大変お世話になりました。おつきあいいただきありがとうございました」とお伝え下さい」
続いて、留学中のOさんからもメールが来た(こちらも無断転載申し訳ない)。
「先生、無事に日本に戻られたでしょうか?
私たちも無事に旅を終えました!今日の朝2時にK市に戻りました。
Nたちも先ほど無事に日本に到着したみたいです。
ソウルでは本当にお世話になりました!久々に先生たちと会うことができて本当によかったです。わざわざ来てくれた二人にも感謝しないとですね!笑
2日目も景福宮(キョンボックン)の案内ありがとうございました!卒業旅行、少しでも先生とともにすることができ、3人ともいい思い出ができました。奥様にもありがとうございますとお伝えください。
先生と別れた後、宗廟を見に行ったり仁寺洞(インサド ン)で伝統茶を飲んだり、観光したり、韓服を着てプリクラを撮ったりしました!夜はチキンを買って食べました。
翌日は鉄道で水原(スウォン)まで行き、スウォンでは八達門(パルダルムン)までバスで10分ほどで行けるのに1時間かかっていったというような事態も発生しましたが(先生の予想が的中したでしょうか?笑)、無事に先生おすすめのヨンポカルビも食べられました。
ソウルに戻ってお土産買おうとしたらロッテマートがまさかの休業で焦ったり、カロスキルではNたちよりも買い物に夢中になったりなど・・・でも雰囲気のいいカフェに行ったりなどカフェ文化も学びました。
最後に明洞(ミョンドン)にも行って、この3日間にいろいろつめこみすぎた感はありますが充実した旅行となりました!
二人には迷惑をかけたと思いますが、通訳は頑張ることができたと思います!笑
また韓国に行きたいと言ってくれたので、とりあえずよかったです。
半年後に先生やみんなに会えるのを楽しみに、最後の留学生活を満喫したいと思います」
二人からのメールで、別れた後の旅の様子が、手に取るようにわかった。
なあんだ。すっかり満喫したんじゃないか。
心配することなんて全然なかった。よかったよかった。
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