雲をつかむような話
職場での雑談。
「この前、出張先の本屋で、浅田次郎のおもしろそうな小説が平積みされていたんですよ。私は買わなかったんですが」
「新刊ですか?」
「さあ、『店員のおすすめ』というコーナーにあったので、新刊かどうかはわかりません。でも文庫本でした」
「何ていう小説です?」
「それがタイトルを忘れてしまったんですよ。別の本を買ってしまったもので」
おもしろそうな小説だと思ったにもかかわらず、買わなかったらしい。
「浅田次郎って、軍隊ものとか、幕末ものとかを書かせると、じつに面白いでしょう?}
「そうですね」
「たぶん、そんな小説です」
「はあ」
「なんとなく、『プリズンホテル』みたいなテイストのような気がします。タイトル、何だったけなあ…」
気がします、という言い方も曖昧である。それにしても、タイトルが気になる。
「長編小説ですか?それともシリーズものですか?」
「長編もの…シリーズもの……、うーん。なんか下巻が出るような感じでした」
下巻が出るような感じ?すると、上下巻か?あるいは上中下巻?
「とにかく、とてもおもしろそうな小説だったので、ぜひ読んでみてください。」
「はあ」
「おもしろかったから読んでみてください」ではなく「たぶんとてもおもしろそうな小説だから読んでみてください」という薦め方は、初めてである。
それに、情報があまりにも漠然としすぎている。たしかな情報がなにひとつない。
浅田次郎の小説で、
軍隊ものか幕末ものっぽくて、
『プリズンホテル』みたいなテイストのような気がする本で、
下巻が出るような感じのボリュームで、
文庫本で、
店員が薦める本にあげられているもの。
ただし新刊とは限らない。
…うーむ。これだけでは、なんとも雲をつかむような話だ。
気になったので、書店に行って探してみるが、それらしい小説はみつからない。そもそも私は、浅田次郎の小説をそれほど読んだことがないせいもあり、なかなか見つけられないのだ。
Yahoo!知恵袋さま!いったいこの小説は何なのでしょうか?
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