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コートはいらない

4月5日(金)

4月に入ってから、コートを着ていない。

北国にも、ようやく春が来たようである。

「コートはいらない」というフレーズが、ユーミンの「返事はいらない」みたいで気に入ったので、タイトルにつけてみた。春らしいタイトルでしょう?

新年度を迎えて、私の周りもいろいろな人たちが、新しい生活をはじめた。そして最初の週末を迎える。

夕方、この3月に卒業したばかりのCさんからメールが来た。

この5日間の研修が終わり、配属先が決まったらしい。

メールにはこんなことが書いてあった。

「慣れないことばかりで気疲れする毎日ですが、先生が以前おっしゃっていた、

『新人は《こんなもんか》という気持ちでいるくらいがちょうどいい』

というお言葉を常にそばにおいて、気楽に前向きに真面目に仕事に向き合っていきたいと思います!」

はて?

「新人は《こんなもんか》という気持ちでいるくらいがちょうどいい」なんて、オレ、言ったっけ?

…覚えていない。

同じようなことは以前にもあって、ずいぶん前のことだが、卒業生からやはり、こんなメッセージをもらったことがある。

「卒論発表会の後の追いコンで、私が『質問に答えられなかったのが悔しいです』といったときに、『悔しいと思うくらいがちょうどいいんですよ』と言ってくださったことで、私の4年間がすべてすくわれた気がします」

はて?

「悔しいと思うくらいがちょうどいいんですよ」なんて、オレ、言ったっけ?

これも全然覚えていなかった。

どうやら私は、「……するくらいがちょうどよい」というのが口癖のようだ。

ただ、私の座右の銘は、映画「七人の侍」の中に出てくる

「おのれのことばかり考える奴は、おのれをも滅ぼす奴じゃ!」

という勘兵衛のセリフと、同じく映画「七人の侍」に出てくる

「話すというのはいいものでな、どんな苦しいことでも話をすると少しは楽になる」

という平八のセリフなんだけどなあ(また始まった)。

こういう言葉はよく覚えているのだが、自分の言った言葉は、いっさい覚えていないのだ。

また忘れそうなので、ここに書きとどめておく。

さて、Cさんからのメールには、追伸が添えられていた。

「4月1日に早速とんでもないミスをしてしまいました。

なんと、スーツの上着を忘れて出社してしまったんです!!

自分でも信じられません…。

職員の方は笑って許してくれましたが、

でも、これで同期にもすぐ名前を覚えてもらったのよかったのかな?とも思います(笑)いや、良くないですよね!!

この詰めの甘い性格直したいです…」

スーツの上着を忘れたって、どういうことだ???

コートは着ていたけれど、スーツの上着を着てこなかったということか??

「コートはいらない」が、スーツの上着はいるだろうに。

新しい門出を迎える人たちに、幸あれ!

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職場の出来事」カテゴリの記事

コメント

学生 「ルサンチマン」のお題でボケろと言われても、「ルマン24時間」くらいしか思い浮かばないんですけど。

先生 それくらい思い浮かべるのがちょうどいい。

学生 で、考えているうちに心の暗黒扉が開きまして、20年前にアメリカのサマースクールで同席したCIAの人に、「お、エスピオナージ(=スパイ)だ!」と英語でボケたら、ウケるどころか、以後一切、口を聞いてもらえなくなったことを思い出しまして(実話)。

先生 それくらいのルサンチマンがちょうといい。

学生 で、発想を転換しまして、「ルサンチマン」をどんな言葉に置き換えたら面白いかなあと。たとえは、「ルサンチマン」を「ニュータイプ」で置き換えたらどうでしょう。


「ララーさんって、ニュータイプでしょう?」

「そんなことありませんよ」

「いや、絶対そうだよ。ララーさんはねえ、ニュータイプなんだよ」

「そうですかあ?」

ララーはまんざらでもない、という顔をした。

「ボクにはわかりますよ。ララーさんの根底にはね、ニュータイプの血が流れているんだよ」

「そうですかねえ、アムロさんこそニュータイプじゃないですか」

「ええぇ?ボクは違いますよ~」


ねっ、いかがです?

先生 それくらいではよくない。

学生 そうですかあ。結構な自信作だったんですけど。

先生 こういう、いけ好かない奴らは、「与太郎」で置き換えるくらいがちょうどいい。

投稿: こぶぎ | 2013年4月 6日 (土) 17時02分

熊五郎の野郎、どこで聞きかじってきたんだか、オレのこと「ルサンチマン」だなんてぬかしやがる。だいたい「ルサンチマン」てどういう意味だ?さっぱりわからねえ。くやしいからこっちも「お前の方こそルサンチマンじゃねえか」って言い返してやった。ざまあみやがれってんだ。

ブツブツ言いながら歩く八っつぁんの前に、なんと神様が現れた。

だ、だ、誰だおめえは?

わしは破壊の神ゴーザであるぞよ。

オレにいったい何の用だ?

わしはこの江戸を破壊するためにやってきた神である。いまからお前の想像力でこの江戸の町を破壊してみせる。おぬしの想像したものを実際のものにしてみせようではないか。

何言ってやがる。そうはさせるもんか!…まてよ。思い出したぞ!そういえば前に芝居小屋で見た舶来の芝居に、「もののけ退治」ってのがあったな。たしか、そこに出てきた破壊の神様が、「おぬしの想像したものを実際のものにしてみせる」と言ったら、もののけ退治の奴はたしか「マシュマロ」とかいうのを想像して、それがマシュマロマンになったんだったよな。野郎、同じこと言ってやがるぜ。オレもマシュマロマンを想像すりゃあわけもねえってことよ。

どうした、早く想像してみなさい。

言われなくてもわかってるよ!待ってろいま想像してやるから。…へへ、ゴーザだかじゅうたんだか知らねえが、オレが想像するものを知って驚くなよ。えーっと、…あれ、何だっけ?たしか何とかマンって言ったよなあ。さっきまで覚えていたんだがなあ。何だっけ?…そうだ、ルサンチマンだ!

よーし!おぬしの想像を実際のものにしてみせよう。

やがて江戸の町に大きな「ルサンチマン」が現れた。

江戸の人々のすべての恨みつらみを一身に背負って、「ルサンチマン」は江戸の町をすっかり破壊してしまった。

これに驚いたのは八っつぁん。

やい、神様とやら!どうして江戸の町を破壊しちまったんだ!?

おぬしの日ごろの望みを叶えてやったまでじゃ。

どういうことだ?

おぬし、熊五郎に言われただろう?「お前はルサンチマンだ」と。

ご存知、「江戸のルサンチマン」でございました。

(かなり無理があるなあ)

投稿: onigawaragonzou | 2013年4月 7日 (日) 02時14分

番頭 :「えぇ、お待ちどうさまでございました。ここにル・サンチマン板を持って参りました。どうぞお使いください」

太郎作:「えきゃぁ、まぁ紙までもらっては済まねぇなこりゃ。どうでもいいけんどおっそろしいちーさなル・サンチマン板だなぁこりゃぁ。あぁ番頭さんにちょっくらお伺いしたいんでごぜぇますが」

番頭 :「へいへい。どういうご用件で?」

太郎作:「いやぁ、他ではねぇけんどもル・サンチマン済んだらどうしたらよかんべ?」

番頭 :「へいへい。おル・サンチマンがお済みになりましたら、ぽんぽんと手を叩いて頂ければ、私が頂戴に伺いますんで、よろしくお願いします」

太郎作:「え? あの、頂戴に伺うって・・・ル・サンチマンを持っていってもらいますんで?」

番頭 :「へい。もうお済みになりましたら、手を叩いていただければ、頂戴に伺いますんで、どうぞよろしく」

太郎作:「あーらそら済まねぇな、おらル・サンチマンなんか持っていって貰ったことはねぇけんどもな。そんなもの持ってどうなさるだ?」

番頭 :「どうなさる? ・・・へぃ、帳場まで大切にお預かりいたします」

太郎作:「こりゃぁ済まねぇな。そいじゃおらぁル・サンチマンぶったら手ぇさ叩いて呼ぶだで、取りに来て貰いてぇ」

番頭 :「どうも。ご存分に、ごゆっくり、心ゆくまでおル・サンチマン願います」

太郎作:「やい次郎作。こっちさ来てみぃ。おらぁこんな小さなル・サンチマン板にル・サンチマンぶったことはねぇがな。これが江戸の習わしだってぇなら仕方なかんべ。おらがル・サンチマンぶったあとにな、われがル・サンチマンぶちたくなってもル・サンチマン板えきゃぁちーせいからな、われはまた手ぇさ叩いて別のル・サンチマン板借りたらいかんべ。それじゃおらぁル・サンチマンぶつでな。いかくちーせいから難しいがな。おらぁ今からぶつでな、われぇそこで見とれ」

 太郎作が着物の裾をまくりあげようとすると裾が引っかかって、算盤がつぅーっと座敷の上を滑って廊下の柱に当たった。

太郎作:「次郎作、見たか!さすがは江戸じゃのぅ。ル・サンチマン板が車仕掛けになっとるで」

(注)「松本深志高校落研OB会」ホームページの「勘定板」台本より一部改変した。
http://home.a05.itscom.net/hotaru/index.html

投稿: コピペでこぶぎ | 2013年4月 7日 (日) 16時30分

あるお寺のお住持様が、体を悪くしましてお医者様に来ていただきまして診察をしていただきまして、あとで医者の先生が、

「ルサンチマン」がおありですか?

と尋ねられました。あいにく和尚さんは「ルサンチマン」という言葉を知らないんですから、「何でございますか?」と聞けばよかったんですが、

はあ、「ルサンチマン」ですか?

ございますか?

いえ、ただいまは…ございません。

では、そのように薬を盛ります。

と、帰ってしまいました。

「薬を盛る」と言われると、自分の体に関わることですから、お住持も心配になってきました。

「ルサンチマン」…はて、何じゃろうなあ「ルサンチマン」…経文の中にも出ておらんのう。「ございません」と返事をした手前、今さら「ルサンチマン」とは何のことですかとも聞きにくいし…。なんぞ聞かんでわかる工夫はないかのう…。そうだ、珍念がおる。珍念や!

へーい。ご用でございますか?

「ルサンチマン」だが、うちにあったかのう?

…「ルサンチマン」て何です?

何ですだと?寺方にいて「ルサンチマン」ひとつ知らん奴があるか!わしゃおまえに教えておいたつもりだぞ。

忘れました。

なぜ忘れる?…ええことがある。門前の花屋へ行って聞いてみなさい。

何て言って行くんです?

「ルサンチマン」がおありですか、と。

あるって言いましたら?

あると言うたらわしが言うたからと言ってちょっと借りてきなさい。

借りに行くんでも品物を知らないで行っちゃおかしいんですけど…何のことなんです?

先方へ行ってそう言ってみれば向こうの返事であらかた様子がわかるで。行ってみなさい!

へーい。…こんにちは。

あ、お小僧さんか?何か用か?

あのう…和尚さんがそう言ったんですけど、「ルサンチマン」があったら拝借したいんですが。

え?

「ルサンチマン」ありますか?

「ルサンチマン」だって、和尚さんがそう言ったのかい?和尚さんはわからねえこと言うからなあ。…お小僧さん、お住持によろしく言ってくんな、2つあったんでしたが、今ねえんだってな。1つ床の間の置物にしといたんだ。そしたら田舎のお客さんが来て「きれいなルサンチマンで大きなルサンチマンで珍しいルサンチマンだ」ってほめられたんで、お土産にやっちゃったって。もう一つはおつけのみにして食っちゃったってそう言ってくれよ。わからねえことはわからねえ返事した方がいいや。

へーい。…行って参りました、和尚様。

どうした?

2つございました。

おお、あったか!で、借りてきたか?

1つは、床の間の置物にしといた。すると田舎のお客様が「立派なルサンチマンできれいなルサンチマンで大きなルサンチマン」だってほめたからお土産にやっちゃった。

土産に?いま1つは?

おつけのみにして食べちゃった。

ええ??味噌汁に入れて食うた?…みやげになるもので飾り物になるもので食えば食えるもの…。

へへ、「ルサンチマン」てのは何です?

「何です」って、わしゃおまえに教えたはずだぞ。…ええことがある。お医者様のところに行って、お薬をとりにいったついでに、先生にじかにお目にかかって、「さきほどお住持を診察したお後で、『ルサンチマン』がおありかとおたずねでございましたが、あたくしそばで聞いておりまして「ルサンチマン」を存じません。どういうわけでございますか、お教えを願いとうございます、と、おまえの腹から出たようにして聞いてみなさい。

和尚さんは「ルサンチマン」をご存じでしょう?

わしは知っておる。

ならすぐあたしに教えてくれたら向こうへ行って聞かなくったって済みます。

それがイカンというんだ!忘れたことはわしに聞けばすぐにわかると思うと、依頼心でまたすぐ忘れる。他人様に聞いて「ああ面目ない」と思うと生涯忘れんというもんだ。行って聞いてみなさい。

へーい。…お頼み申します。

ああ、お小僧さんか。薬ならできておるぞ。

あのう…先生にうかがいたいことがございます。

何だ?

先ほどお住持を診察された後で「ルサンチマン」はおありかと尋ねられました。あたくしそばで聞いておりましたんですけれど、「ルサンチマン」という言葉を知らないんです。覚えておきたいと思いましてお教えを願いたいんですが。

おまえが?「ルサンチマン」を知らんから教えてくれと?…フフッハハハハハハ!子どもらしくてええ。覚えておかにゃあならんという言葉ではないが、覚えておいて損のないもんじゃ。「ルサンチマン」というのはなあ…

…ご存じ、三代目金馬師匠の「転失気」より、「転失気」を「ルサンチマン」に変えてお届けしました。

投稿: onigawaragonzou | 2013年4月 7日 (日) 18時56分

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