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帰れない二人

4月30日(火)

午前中の雨が夕方にはすっかり上がり、夜、まだやや肌寒いが、歩いて帰るにはちょうどよい気候になった。

こんなとき思い出すのは、忌野清志郎と井上陽水が共作した「帰れない二人」である。

アルバム「氷の世界」(1973年)という井上陽水の「名盤中の名盤」 に収められているが、このアルバムの中で、私がいちばん好きな曲である。

「思ったよりも 夜露は冷たく

ふたりの声も 震えていました

『僕は君を…』と言いかけたとき

街の灯りが消えました

もう星は帰ろうとしてる

帰れない二人を残して」

メロディは、井上陽水っぽいバラードともいえるし、忌野清志郎っぽいバラードともいえる。どちらが歌っても、その人の曲のように思える。それが、この曲のすばらしいところである。

細野晴臣がベースで参加している。何と贅沢な1曲だろう。

この曲を聴いたのは、リアルタイムではなく、「東京上空いらっしゃいませ」(1990年)という映画の主題歌として流れていたのを聴いたのが最初である。

もう帰りなさい、と言わんばかりに、街の灯りは消えてしまうのに、お互いの気持ちをはかることもできないまま、なかなか帰るきっかけがつかめない二人。この二人の関係性を表現した歌詞は、秀逸である。

矢野顕子のライブを聴いて以来、忌野清志郎のことが思い出されるので、書いてみた。

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