お稼ぎなさい
たとえば、韓国のお店でものを買ったあと、お店を出るときに、お客さんが店員に、
「マニパセヨ」
ということが多い。これは直訳すると「たくさん売りなさい」という意味になる。
また、タクシーの運転手さんにお金を払って、タクシーを降りるときには、
「スゴハセヨ」
という。これは直訳すると「お骨を折りなさい」「頑張りなさい」くらいの意味である。
韓国にいたころ、日本語にはない挨拶表現だよなあと思い、とても違和感のある言葉だったのだが、映画「男はつらいよ 寅次郎恋歌」を見ていて気がついた。
映画の冒頭、板東鶴八郎一座のもとを訪れた場面で、寅次郎は、別れぎわに、
「お稼ぎなさい」
と言っているのである。
そうか。「マニパセヨ」は、「お稼ぎなさい」という意味なのか。「スゴハセヨ」も同じニュアンスである。
かつて日本でも、「お稼ぎなさい」は普通に使われていた挨拶だったのだ。
そう考えると、いまはすっかり失われてしまった日本語の表現が、韓国語の中にとどめられている可能性もあるのではないだろうか。
韓国語の勉強は、それだけで、いろいろなことを考えさせられる。
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