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続・雲をつかむような話

雲をつかむような話

5月6日(月)

昨日の演奏会の打ち上げの席で、高校時代の同期のフクザワが「そういえば、思い出したことがある」という。

高校生くらいの時のこと、というから、1980年代の半ばから後半にかけての時期である。

テレビ神奈川の夜中の番組を見ていたら、韓国のポップスを紹介する番組だったか何かで、韓国の男性3人組のアイドル歌手が出ていて、歌を歌っていた。日本でもこの当時、3人組の男性アイドルグループがけっこういたから、それを意識していたグループかなと思った、という。

ライブ映像では、そのアイドルのファンたちが、「ぎゃあぁぁぁぁ~」と歓声を上げている。すごい人気であることが、画面を通じてわかった。

ところが、である。

歌っている歌が、「スイカの歌」という歌で、画面の下に歌詞の日本語字幕が出ているのだが、

「スイカ甘いよ 美味しいよ」

といったもので、どうにも脱力するような内容の歌詞である。

にもかかわらず、そのアイドルグループのファンたちは、失神せんばかりの熱狂ぶりで、そのアイドルを応援している、というのである。

「あんまり面白いんで、姉貴を起こして『すげえ面白いぜ』と、見せようかと思ったくらいだ」

とフクザワは述懐した。

「いったいあの歌は、何だったんだろう?」

そこでひとしきり、議論になる。

「『スイカの名産地』みたいな歌を、当時のアイドルが歌ったんじゃないだろうか?」

とか、

「日本でいう、『寿司食いねえ』みたいな感じの歌だったんじゃないだろうか?」

とか、

「ほんとうは、『メロンのため息』(山瀬まみ)みたいな歌なのにもかかわらず、日本語に歌詞を翻訳するときに換骨奪胎されて、『スイカ甘いよ 美味しいよ』みたいな歌詞になってしまったのではないだろうか?」

とか。

いずれにしても、こんなクダラナイ話で盛り上がれるのは、私とフクザワぐらいなものである。ほかの誰も、この話にはついてこなかった。

「そこで、お前に調べてほしい」とフクザワ。「高校の時から今まで、あの歌はいったい何だったのか、ずーっとモヤモヤしていたんだよ」

もちろん私も、この歌の正体には、興味がある。

「わかった。調べてみるよ」と私。

そうはいってみたものの、なかなか難しい。

翌日、妻にこの話をして、インターネットで調べてもらったが、よくわからない。

もちろん私も調べてみたが、やはりよくわからない。

1980年代後半に活躍した韓国の男性アイドルグループといってすぐに思い浮かぶのは、「ソバンチャ(消防車)」という名前の、3人組の男性アイドルグループである。1987年にデビューしている。

日本では、ダウンタウンがこのソバンチャのヒット曲をカバーしたことがあり、それがきっかけで日本でも知られるようになったと記憶するが、ダウンタウンが「オジャパメン」(原題は、「オジェパム イヤギ(夕べの話)」という曲をカバーしたのは1996年だから、フクザワがそのアイドルを見たのは、それよりもはるか前のことである。もしフクザワが見たのがソバンチャだとしたら、ソバンチャがデビューして間もないころのライブ映像、ということになる。

ソバンチャのディスコグラフィーの中に、「スイカの歌」があったかどうかは、不明である。

はたしてこの歌は、いったい何だったのか?

手がかりをまとめてみよう。

・1980年代の半ばから後半くらいに、テレビ神奈川で深夜に放送された。

・韓国の男性3人組アイドルグループで、当時すごい人気だった。

・「スイカの歌」で、日本語に訳された歌詞に「スイカ甘いよ 美味しいよ」というフレーズがあった。

…まるで雲をつかむような話である。本当にこんな歌、あるのだろうか?

〔追記〕

…と、ここまで書いたあと、フクザワから、追加の情報がメールで送られてきた。以下、引用する。

「スイカのうたですが、姉にも確認してみました。

・キャーキャー言われていた男性アイドルグループ

・「スイカ甘いよ、おいしいよ」的な翻訳歌詞

・夜中にやってた番組

以上についての記憶は一致してましたが、次については訂正されました。

・私が高校生では無く、もう少しあとつまり1990年代前半くらいではなかったか?

・TVK(テレビ神奈川)での放映かどうかは定かではない。

姉は私よりも記憶力が良いので、1990年代前半ってのはヒントになるかも知れません。キャーキャーの言われ具合と歌詞のギャップについても印象が姉と一致しているので、この点は当てになるかも。

まだまだ韓流ブームの兆しすら無かった頃なので、流し見してしまった事が悔やまれます。ちゃんとチェックしておけばずっと気に掛けずに済んだのに…。

くれぐれも調査?に余りお時間を掛けぬよう…って言ってもムリだろーなー。まぁこちらもそれ承知でけしかけてしまった訳ですが」

フクザワは私の性格を、よく知っている。

頼みの綱は、こぶぎさんか?

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音楽」カテゴリの記事

コメント

(K-POPプレーバック) 

(BGM)

A さあて、今回も始まりました「K-POPプレーバック」。今回は特別編成でお送りします。

B この「Kプレ」コーナーは、ふだんは「乙女旅ブログ」の方で、「MBCkpop」のホームページから懐かしのK-POP動画をラジオ番組風に紹介しているわけですが、作者のこぶぎがK-POPに目覚めたのも、20年前の深夜番組で紹介されていたカン・スジの曲がきっかけでした。

A ということは、もしかして、フクザワさんが見た深夜番組とは、作者がカン・スジを見初めた、あのフジテレビのワールドミュージック特集だったのでは!?

B おー、何たるシンクロニシティ。当時はK-POPの番組なんかそうなかったから、その可能性も、なきにしもありませんぞ。

A というわけで、今回は「吹きだまりスタジオ」からの緊急生放送と相成った次第です。

B そういうわけですから、総力をあげて探しますよ。「スバク(韓国語で「すいか」の意味)」で検索しても見つからないからって、そのくらいではあきらめません。

A 韓国MBC放送のYoutubeページを、1980年代後半から90年代前半にかけて、1年ずつ、しらみつぶしにして調べましたから。

B なんか、自分のホームページの記事より、力が入ってません?

A で、3人組の男性アイドルグループで当時大人気だったとなると、やはり鬼瓦さんの言うように、ソバンチャが一番クサいですね。

B 韓国版ウィキペディアによると、ソバンチャは1990年に解散していますが、その後もバラエティ番組などに多数出演しており、再結成もしています。

A では、聞いてみましょう。ソバンチャで「昨日の夜の話」。

http://www.youtube.com/watch?v=0i5F6M12vV0

A ソバンチャで「昨日の夜の話」をお送りしました。

B ダウンタウンがカバーした例の曲でしたね(メドレーだったので途中からだけど)。

A なんか、おっさんが歌うシブがき隊みたいでしょ。フクザワさんが聞いた歌が、こういう感じなら、そのグループはソバンチャです。

B 男性3人組の人気アイドルで次に考えられるのは、ソリッドですかね。

A 少女時代ジェシカの歌の師匠として、またMBC「私は歌手だ」でもおなじみだった、キム・ジョハン先生のいたグループですね。

B じゃ、聞いてみましょうが。ソリッドで「天生縁分」。

http://www.youtube.com/watch?v=IR3tzRrtuNM

A ソリッドで「天生縁分」でした。

B なんかR&Bっぽくて、歌がうまいボーカルがいたら、ソリッドだったと(メモメモ)。

A あと、もう1組いるんですが。。。

B えっ? 誰だろ?

A ソテジワアイドル(「ソ・テジと子供たち」の意味)。

B それはないでしょ。今でも伝説のカリスマバンドですよ。今日のK-POPの原型を作ったのも、この「ソテジワアイドル」といっても過言じゃないし。

A でも、最初のころは結構アイドルぽいですよ。聞いてみて下さい。ソデジワアイドルで「ボクは知っています」。

http://www.youtube.com/watch?v=JKK0UEu4Q5g

B ソデジワアイドルで「ボクは知っています」をお送りしました。

A ねっ、ラップの入ったヒップホップ調で、これまでの曲とは趣が違う。確かに、今日のK-POPと比べるとアレだけど、センダンは双葉より何とかって、言いますでしょ。

B 以上、「ソバンチャ」「ソリッド」「ソデジワアイドル」のどれに近い雰囲気だったか、あとはフクザワさんに記憶の奥底の扉を開いてもらって、思い出してもらいましょうね。

A で、「すいかの歌」は?

B この3グループの名前と「スバク(「すいか」の意味)」を掛け合わせて検索してみたんですけど、全然見つからなくてね。

A でも「スイカの歌」とはっきり字幕が出ていたんだから、元々そういう名前の曲だったに違いない。

A そこで、決め打ちさせてもらいました。では、聞いて頂きましょう。童謡「スイカパーティー」。

http://www.youtube.com/watch?v=LuGP6zdUva8

A 童謡「スイカパーティー」をお聞き頂きました。

B 「スバクソング(すいかソング)」や「スバクノレ(すいかの歌)」とハングルで検索すると、幼稚園でのお遊戯風景とともに、この曲がゴマンと出てきます。

A ほらさっき、ソバンチャがバラエティ番組にたくさん出てたっていったでしょ。音楽チャート番組じゃなくて、当時の人気バラエティ番組のMBC「土曜日、土曜日は楽しい」とかで、童謡とか歌っていそうじゃん。

B あくまで想像の範疇ですけどね。3グループとも「スイカ」の付く持ち歌は見つかりませんでしたけど、番組内の企画とかで自分たちの持ち歌以外の曲を歌うことは、今でもよくありますし。韓国の「子供の日」特集か何かで、この「スイカパーティー」を歌った可能性も否定できない。

A では、まとめましょう。フクザワさんが昔聞いた曲が、

 1)おっさんのシブがき隊みたいだったら「ソバンチャ」
 2)R&Bの曲調で、歌がうまければ「ソリッド」
 3)ラップ入りのヒップホップ調ダンス曲であれば「ソデジワアイドル」

でしょう。

 そして、歌っていたのは持ち歌でなくて、番組内の企画で歌わされていた童謡だった

と決め打ちさせて頂きます。

B あ、全くの妄想に過ぎませんから、間違っていも怒らないで下さいね(プインプイーン)

A 果たして雲はつかめましたでしょうか。それでは「K-POPプレーバック」、次回もお楽しみに。

(BGM)

投稿: こぶぎ | 2013年5月 7日 (火) 17時13分

ありがとうございます!素早く、しかも本家「乙女旅のブログ」以上に力の入ったコメント、痛み入ります。
私も童謡「スイカパーティ」の可能性を考えてみたんですが、歌詞に「スイカ甘いよ 美味しいよ」というのが見られないようで、どうもはっきりとしません。
あとは、フジテレビのワールドミュージック特集とやらを、丹念にあたっていくしかないんですかね。

投稿: onigawaragonzou | 2013年5月 7日 (火) 23時20分

久しぶりにonigawara氏のブログを覗いてみたら、案の定と言うか、嗚呼!大変なことに!!
自分でけしかけておいて何ですが、ほどほどで切り上げて頂かないと、なにやら掘り返してはいけない事実(国家機密的な?)に行き着いてしまうのではないかとビクビクしています。でも…こぶぎさん、ありがとうございます。「K-POPプレーバック」拝聴しました。結論から言いますと、「これこれ!」にはまだ至っておりませんが、「当時のグループが企画で持ち歌以外を歌っていた」はありそうだと思いました。記憶ではすごくアイドルアイドルしたステージでしたが、それ自体もアイドルをパロディっぽく再現したステージだったのかもしれません。そうすると強烈な観客のキャーも後入れの可能性も!?なんて考えてしまいます。
ところで「スイカパーティー」の映像は、衣装の凝り具合とお子様たちのやる気のなさ度のギャップが微笑ましかったですね。2名ほど棒付きキャンディー舐めながらの演技でしたが、危なくないのかなぁ。

投稿: フクザワ | 2013年5月 8日 (水) 01時11分

 フクザワさん、初めまして。お噂はこのブログで、かねがね拝見させて頂いております。

 さて、初心に戻って正攻法で調べようと、国会図書館のレファレンス協同データベースを探しまして、そこで紹介されていた韓国音楽著作権協会の作品検索を調べましたが、「スイカ」のつく曲はほとんどが童謡で、アイドルグループが歌手名となっている曲は、やはりありませんでした。

 ただ、童謡「スイカ」の歌詞は何パターンかあるようで、「おいしそうな緑色の光(の)スイカが好きです」が出だしの歌もあるようです(音源は見つからず)。

 というわけで、やはり何かの企画で、そのグループが童謡を歌っていた場面だったと考えるのが適切かなあと思います。

http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000103932

 「アイドルアイドルしていた」グループとなると、ソバンチャか「チェクスキッス(젝스키스)」あたりですが、後者は1997年デビューの6人組ですので、人数も時期も異なります。

チェクスキッス Couple
http://www.youtube.com/watch?v=07hVeClpnxI

 ただしチェクスキッスとスイカで検索してみると、「スイカ事件」という項目がヒットしまして、何でも、チェクスキッスのファンから卵を投げつけられたライバルグループ「H.O.T(エイチ・オー・ティ)」のファンが、復讐のためにスイカを投げつけに行ったところ、少女漫画の主人公のような外見で大人気だったチェクスキッスメンバーのコ・ジヨンが後ろを振り向いた姿に惚れて、そのスイカにサインをしてほしいと言ったという逸話が、今日でも有名だそうです。

 とすれば、チェッキー(チェクスキッスの略称)本人達や、ギャクマン(日本でいうお笑い芸人)達がチェクスキッスの形態模写でスイカの歌を歌うと、当時はかなり受けたのかも知れません。

 こうなると、後は「韓国童謡マニア」のお宝動画を探すくらいしか手がないようです。

 例の深夜番組も、直感ですが、たぶん同じ番組を見ていた気がしてならないんですが、番組タイトルすら思い出せないし、ただただ記憶の中にしか存在しないのですが、もう一度見てみたいなあと思います。

追伸
 スイカのお遊戯動画を見るにつけ、「親バカ」度合いは、どの国もあまり変わりないなと思いますね。

投稿: こぶぎ | 2013年5月 8日 (水) 04時00分

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