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怖い人

5月14日(火)

職場の若手たちから、怖い人と思われているらしい。

ひごろ全然接点のない職場の若手が、仕事部屋に来た。

「あのう…」

「何でしょう?」

かくかくしかじか…。

完全に私の落ち度であった。

「ごめんなさい。うっかりしていて」

「いえいえ、とんでもないです」

私が悪いにもかかわらず、その若手は、ビクビクしながら、逃げるように去って行った。

絶対に怖い人と思われているなあ。ふだんいろいろなところで噛みついているのを見ているからだろう。全体会議でもキツイことばかり言ってるし。誰にでも噛みつく野犬だと思われているんだな、と苦笑した。

別の部局に行くと、職員さんが言う。

「この前、X君と会ったんです」

「元気にしてましたか」

「ええ。先生、2月にX君とお話ししたでしょう」

「もちろん覚えてますよ」

「そのときの先生に対する印象を、X君は『とても怖い人だった。先生の発言が一番怖かった』と言っていたんですよ」

「そうでしたか。そんなつもりは全然なかったんですがね」

やはり、怖い人と思われているらしい。

だから若手から話しかけられないのかと、妙に納得したのであった。ま、別にいいんだけどね。

それならばこれからは、この「怖いキャラ」を、もっと定着させていこう、と思った。

午後、印刷室に行くと、入口から入って手前のコピー機の前で、別の若手が困った様子で立ちすくんでいる。

コピーを大量にして、紙詰まりを起こしたらしい。

(だから言わんこっちゃない。手前のコピー機でやるからそうなるのに…)

ふだんの私なら、「紙詰まりですか?」とか何とか言いながら、親切にお手伝いするのだが、

(ここはひとつ、何も言わずにおこう。コピー機の特性も、教えないぞ)

と思い、眉をしかめて、「話しかけるなオーラ」を出しながら、奥のコピー機で、せっせと自分の資料を大量コピーした。その若手も、コピーが終わると、逃げるように印刷室を出て行った。

「怖い人」作戦、成功である!

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