お前の仕事は何だ?
7月15日(月)
結局、三連休は、(初日をのぞいて)無為に過ごしてしまった。
基本的な洋画を全然見ていないことを反省し、これからは洋画も見ることにした。
手はじめに、ラッセ・ハルストレム監督の「サイダーハウス・ルール」(1999年、アメリカ)を見た。
アメリカ映画って、たまにこういう地味な映画を作るところが、いいよねえ。
以前、妻に勧められて「ショコラ」という映画を見たと記憶するが、記憶違いかも知れない。この「ショコラ」も同じ監督であり、やはり同じテイストの映画だったような気がする。
さて、この「サイダーハウス・ルール」は、ひと言でいえば、孤児院で生まれ育ったひとりの少年の成長物語である。
孤児院で育った少年、ホーマーは、孤児院を経営する産婦人科医・ラーチ医師に育てられ、やがてラーチの助手として手伝うようになる。だが、違法とされていた堕胎手術を行うラーチ医師に対してホーマーは反発し、外の世界を知るために、孤児院を飛び出し、リンゴ農園で働くことになる。
ホーマーはリンゴ農園で、さまざまな人に出会い、さまざまな体験をする。そして「あること」をきっかけに、自分がやるべき本当の仕事に気づく。
違法な手術をすることに反発して、ラーチのもとを飛び出したホーマー。だが、リンゴ農園での体験を通じて、「事情を知らない他人が定めたルールにしたがって生きることが、はたして正しい生き方なのだろうか」と思い至り、そこではじめて、師であるラーチの思いに気づくのである。
映画のタイトルにもあるように、この映画のキーワードの一つは、「ルール」である。
他人が決めたルールに、疑問を持たずに従って生きるべきなのか、それとも、自分の生き方にふさわしいルールを、自分で決めていくような力を身につけていくべきなのか。
どちらがいいことなのか、わからない。だが人間はどこかで、その選択に迫られることがあることを、この映画は教えてくれる。
もう一つ、この映画には、「お前の仕事は何だ?」というセリフが、繰り返し出てくる。
このセリフこそが、この映画の本質ではないだろうか。
自分の仕事は、リンゴ農園で働くことなのか、それとも…。
ホーマーは、物語の終盤で、ようやく自分のやるべき仕事に気づくのである。それも、自分の意思で、である。
自分にとっての本当の仕事とは何か?
その確信を持てるようになれば、人間は強くなれるのだろう。
私にはまだ、自分の本当の仕事が何であるか、確信が持てない。
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