荒俣宏になりたい!
荒俣宏みたいになりたい!
というのが私のいまの夢。
妻に勧められて、荒俣宏をゲストに迎えたラジオ番組のポッドキャストを聴いて、感心するやら、笑うやら。
荒俣宏は、汲めど尽きぬ話題をもつ鬼才である。座持ちがいいどころの話ではない。
妻に聞いた話だが、荒俣宏は、世界一周する豪華客船に乗務員として乗り込んだことがあるという。長い航海で退屈しているお客さんに、トークショーをするためである。たとえば、その船がインド付近を通っているとしたら、インドにまつわるお話を、といったように、世界各地のありとあらゆる面白くて知的な話を用意して、お客さんを退屈させない、というのである。
すごいなあ。
さて、そのラジオ番組を聞いていて、印象に残った話を一つ。
いま荒俣宏は、日本、中国、韓国の3カ国共同製作の連続ドラマを作るプロジェクトに参加しているという。
日本、中国、韓国の3カ国のいずれの国においても、歴史上で評価の高い人物を主人公にして、そのドラマを作るのだという。
そんな歴史上の人物、いるのか?
まあそれはともかく。
しかし、聞くだけで面白い企画である。荒俣宏が参加したくなる気持ちはよくわかる。
しかしそこで困ったのは、3カ国それぞれのドラマ観の違いである。
日本が、日本的なドラマのセオリーを提案しようとすると、中国さんは、「そんな生ぬるいペースでドラマが進行したら、うちの国では誰もドラマなんか見ないぜ」と、反対した。
「どうして?週に1回の連続ドラマなら、これくらいの感じでいいでしょう」
と聞くと、
「だってうちの国は、1日に2話放送するんだぜ」
と答えたという。
1日に2話!?どんだけハイペースなんだ、と思って、韓国さんに助けを求める。
「中国さん。1日2話というのは、いくらなんでもやりすぎですよ」と韓国さん。
「じゃあおたくは?」
「うちは少ないですよ。週に3話です」
えええええぇぇぇぇ!!と、またびっくり。
「そんな中で、3カ国共同の連続ドラマを作ろうっていうんですから、そりゃあ、大変ですよ」と荒俣宏。
しかしここで重要なのは、この話を、荒俣宏が「嬉々として」語っていることである。
荒俣宏は、だから他の国がダメだ、とは、決して言わない。
考え方が相当に違う者同士で、どうやって折り合いをつけていこうか、という困難を、楽しんでいるのである。
荒俣宏の「知の巨人」ぶりは、こんなところにあらわれているのだ。
そうか。私が荒俣宏になりたいと思ったのは、こういうところなんだな、と、その話を聞いてあらためて思ったのである。
番組の最後に、今後の抱負を聞かれた荒俣宏。
「もう私も65歳になるので、健康に気をつけようと思います。なんとか体重100㎏を切るのを目標にするのと、いままで朝6時に眠りに就くのがやや不健康だったので、今後は午前3時くらいに眠りに就くのを目標にしたいと思います」
どんな65歳やねん!
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