15年ぶりのクラス会
9月14日(土)
午後4時過ぎ。W大学での研究会を抜け出し、新宿のWホテルに向かう。
今日は、15年ぶりの、高校のクラス会である。
しかしこのWホテルの場所が、全然わからない。
都庁周辺をさんざん歩き回って探したため、たちまち汗だくになる。
5時半開始なのだが、10分ほど遅れて、ようやくWホテルに着いた。
会場が25階だというので、エレベーターに乗ると、駆け込んで入ってくる男性がいた。
「あれ?」その男性が私を見て驚いた。
「どーも、コジマです」
同級生のコジマ君だった。あまりの変わりように、全然わからなかった。
こりゃあ、会場に行っても、誰1人わからないんじゃないだろうか。
会場に着くと、すでに20人以上が集まっていた。
「遅いぞ、ゴルゴ!」
幹事の1人のアベ君である。私は高校時代、「ゴルゴ」と呼ばれていたのだ。
その一言で、一瞬にして、高校時代に戻った。
私の心配は杞憂に終わった。ほとんどの人の名前を、思い出した。
私の高校は、3年間、クラス替えがない。だが、私はまじめでおとなしく過ごしていたので、クラスではほとんど目立たない生徒だった。クラスの女子とも、ほとんど会話をした記憶がない。
それに、15年前のクラス会、というのも、ほとんど記憶にないのだ。
今回、クラス会に出ようと思ったのは、担任のKeiさんがいらっしゃると聞いたからである。
Keiさんは、最初の挨拶でこうおっしゃった。
「いまみなさんは、45歳になろうとしているでしょう。実はみなさんが高校3年生のとき、私は45歳だったのです」
いまの私たちは、あのときのKeiさんなのか、と、みんながわが身を振り返り、驚いていた。
引き続き、1人1人が、挨拶をする。
すごいなあと思ったのは、高校卒業から現在に至る人生を、1人1人が、3分程度でコンパクトにまとめ、しかも笑いを混ぜながら挨拶したことである。みんなの話術には、Keiさんも驚いていた。
ひととおり挨拶が終わり、歓談していると、
「Keiさんにメッセージを書いてください」
と、紙がまわってきた。今日のクラス会の最後に、Keiさんに渡すのだという。
こういうメッセージが、私はいちばん苦手である。考えた挙げ句、こう書いた。
「先生の授業が、いまでも私の指針です。
これからもずっと、後ろを追いかけていきます」
あっという間の3時間だった。
「ゴルゴ、2次会に行くだろ?」
アベ君が言う。高校時代テニス部で、いまは銀行員として「ハンザワナオキ」みたいなことをしているのだというアベ君。といっても、私はテレビを見ていないので、「ハンザワナオキ」というのがナンダカワカラナイのだが。
考えてみれば、高校時代、クラスで地味だった私を、「面白いやつだ」と思ってイジッてくれたのが、当時テニス部で、底抜けに明るいアベ君だった。その関係性は、いまでもまったく変わっていない。
「よし、2次会は美味しい地酒を飲もうぜ」
久々に美味しい日本酒を飲みまくった。
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