斧を持つのが世界一絵になる男
韓国映画「黄海(ファンヘ)」(邦題「哀しき獣」、2010年公開)は、ナ・ホンジン監督、ハ・ジョンウ、キム・ユンソク主演の「追撃者」(邦題「チェイサー」)トリオによる傑作である。
いまや韓国映画界では、「ハ・ジョンウの向かうところ、敵なし」というくらい、ハ・ジョンウの勢いがすごい。
それに加えて、キム・ユンソクである。「追撃者」同様、面白くないはずがない。
ハ・ジョンウもいいが、個人的に贔屓にしているのは、キム・ユンソクである。
キム・ユンソクの「本物の狂気」ぶりが、この映画でいかんなく発揮されている。
なかでも圧巻なのは、キム・ユンソクが斧を持って走りまわるシーン。
そして、ホテルの一室で、襲ってきた連中を斧でめった殺しにしたあと、パンツ1枚で斧を持って立ちつくすシーン。
とにかく、これほど斧を持つのが絵になる男はいない。
牛骨で敵の連中をぶん殴るシーンも、凄まじい。牛骨って…。
ハ・ジョンウ、キム・ユンソクだけではない。3人目の男、チョ・ソンハの演技もまた、すばらしい。「器の小さい悪党」役を、見事に演じている。
やはりすごいなあ、韓国映画は。
…てな感じでまとめてしまうところが、「評論家」としては失格である。
ということで、またしばらく、旅に出ています。先週と同じところです。
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