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昼休みの自由時間

人が行った場所に訪れる、というのは、その人に対するよっぽどの関心がなければ、できないことである。

最近の例でいえば、こぶぎさんがそうである。私の学外実習コースを、このブログの曖昧な表現から推理して、まるで「聖地巡礼」のごとく訪れたのである。これには驚いた。

つい最近も、別の友人から、ある人が行った場所に訪れたという話を聞いたことがあり、やはりそれも、同じような心性によるものだろうと思ったものである。

人が行った場所に訪れることの理由のもう1つは、のちのちの話題にすることができるからである。

「この間、あの場所に私も訪れましたよ」と、その人に向けてメッセージを発することができるのである。こぶぎさんの事例も、まさにそうである。

10月30日(水)

街の洋食屋さん、というのが好きである。

旅先であっても住んでいる場所であっても、そういう店を見つけると、とくにお昼時などには、つい入ってしまう。

ところがそんな洋食屋さんは、今ではめっきり減ってしまった。効率を重視するこのご時世からしたら、いろいろなメニューを取りそろえ、それを注文に応じてこなしていく仕事は、大変な労力がかかることなのだろう。

それでも続けている店は、作り手の「心意気」以外の何物でもない。

実際、そういう店は、はやっているのである。需要はあるのだ。

今日の学外実習のお昼休み、昼食は自由行動とし、私は一人で、その町のアーケード街にある喫茶店に入った。お昼は洋食の定食を出しているような、街の喫茶店である。

店に入ると、ちょうどお昼時なので、4人掛けのテーブル席がほぼ満席である。「相席でよろしいですか」と聞かれた。「相席」なんて言葉、本当に久しぶりだなあ。おそらく厨房は、戦場なのだろう。

日替わりランチ定食を食べ終わり、まだ集合時間まで、若干の時間がある。

1つ思い出した。

風の便りで聞いたのだが、元同僚の弟さんが、この近くで、小さな喫茶店をはじめたらしい、というのである。

このアーケード街を抜けたところに、昔からの古い町並みが残っている地区があり、そこには、旧家を利用した様々な店が並んでいることはよく知っている。

その元同僚というのは、数年前まで一緒に仕事をしていた人で、まあ私とは真逆で、おしゃれでスマートな人だった。なぜか愚鈍な私のことを気にかけてくれ、たまに夕食に誘ってくれたりもした。気軽に夕食に誘ってくれる同僚は、彼くらいしかいなかったのである。

そんな貴重な存在だったが、数年前に彼が職場を移ってからは、連絡を取り合っていない。そのことが、ずっと気にかかっていた。

それと、そういうおしゃれな同僚の弟さん、ということだから、さぞおしゃれな店なのだろう、と、想像が膨らんだ。その元同僚の年齢から察するに、弟さんというのは、私と同じくらいの年齢の人であろう。

アーケード街の喫茶店を出た私は、その足でアーケード街を南に抜けて、古い町並みのある地区へと向かった。

断片的な情報を頼りにすると、その喫茶店というのは、G寺という有名なお寺のすぐ近くにあるという。そして店の名前は、プラハで生まれた世界的な作家の名前からとったというのだ。

その作家は、きわめて特異な小説を書き、そもそもが、繊細で屈折した人物だったといわれている。その作家の名前を店名にするところに、ある種のこだわりが感じられる。

さて、G寺の周りを歩いてみるが、それらしい店が見当たらない。

時間があれば、店に入ってコーヒーの1杯でも飲もうかと思ったが、午後の集合時間がだんだん近づきつつある。

諦めようと思ったが、この古い町並みの入り口に、観光案内所があることを思い出し、いったんそこに戻って、店の場所を尋ねてみた。

Photo教わったとおりに行くと、はたしてG寺のすぐ近くに、その店があった。あまりに小さくて、気がつかなかったのである。

しかし、旧家を利用したお店のたたずまいは、実に清潔そうで、おしゃれだった。何よりセンスがいい。

さすが、元同僚の弟さんである。

しかしもう、時間がない。

それに、お店の中をチラッと覗いてみたが、灯りはついているものの、人がいる様子がない。

お店の中には、本棚があり、そこに本がたくさん並べられている。ブックカフェ、というもののようだ。やはり私の憧れる喫茶店である。

(今日は定休日かな…)

集合時間がせまっているので、店の外観だけを確認してその場を立ち去ることにした。

お店を覗いたとき、小さな張り紙がしてあるのに気づいた。

「正社員募集」

もし私が、今の仕事をすっぱりと辞めて、この店の正社員になったら、この先どんな人生が待ち受けるだろうか、などと想像しながら、集合場所に向かう。

やがて集合場所に学生たちが集まってきて、

(俺の仕事は、こっちだった)

と、現実に戻った。

さて、そのお店の名前というのは…。

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コメント

へんじ書こうかな
んー、どうしようか
しらべはついたんだけど
んー、どうしたものか

投稿: こぶぎ虫 | 2013年10月30日 (水) 22時56分

電光石火の早技でした。
簡単すぎましたね。

投稿: onigawaragonzou | 2013年10月30日 (水) 23時37分

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