ポンコツを生きる
10月19日(土)
夕方、「前の職場」のKさんから電話があった。
「朝、作業部屋の鍵、お渡ししましたよね」
この日の午前中は、「前の職場」で「作業」に参加した。そのさい、作業部屋の鍵を、元同僚のKさんから預かったのだった。Kさんが別の用事で作業に関われないためである。
午後、私は「前の職場」から50㎞離れた「今の職場」に戻った。Kさんは、私が鍵を持ったまま帰ってしまったと思ったのであろう。
「Hさんに渡しましたよ」と私。
私はその鍵を持っているのが不安だったので、すぐさまそれをHさんに渡したのだった。つい先日も、Kさんから預かったUSBメモリを、自分のポケットに入れたことを忘れたまま、kさんがなくしたと思い込んで探し回ったことがあったからだった。
「本当ですか?」Kさんも、その「USBメモリ事件」が念頭にあったためか、すっかり私を信用しなくなっていた。
「間違いありません」と私。
「わかりました」Kさんは、ようやく納得したようだった。
しかし、ここ最近の私は、そう疑われても仕方がないくらい、ポンコツである。
翌日(20日)の夕方。
自分の部屋のLANケーブルに足を引っかけて、もんどり打って頭から転んでしまい、テレビ台に頭を強打した。
死ぬかと思った。メガネはゆがむし。
気を取り直して、スーパーに買い物に行くと、レジでおつりの小銭を受け取ってそれを財布に入れようとしたとき、手元が滑って、がま口が開いた財布ごと落っことし、床に小銭が散乱した。
小銭を一枚一枚拾っている自分が、あまりに惨めで、情けなかった。
ああ。完全にポンコツである。
話は変わって、私と同世代のラジオDJが、「ラジオDJとして成功する秘訣は?」と、リスナーから質問されて、
「放送局の偉い人に媚びることです」
と答えているのを聴いて、思わず笑ってしまった。
なぜならそのDJは、ある放送局の上層部と大げんかをして、その放送局を出入り禁止になっているからである。
だが今は別の放送局で、カリスマ的人気を誇っている。
反骨の彼はおそらく、一面は皮肉として、一面は真実として、そう答えたのであろう。
私の業界も、これに近いことがある。
「媚びる」ということはないが、「見えるところ」で「マメな人」ほど重宝され、仕事をたくさんもらい、それが「実力」として評価される。そしてどんどん高みに登ってゆく。
自分には、とてもまねのできないことである。それを「実力」と呼ぶなら、私は「実力」のない人間である。
愚鈍な私は、たとえ注目されなくとも、自分のできることをやるしかないと、思い知るのみである。
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