くたばれ!業界用語
もう10年以上前のことだと思うが、高校時代の恩師が、自身のホームページを持っていて、そこに、世の中のオカシなことについて、自分の怒りを書いていた。まだ、ブログもツイッターもなかった時代である。
ただ、何でもかんでも書いていた、というわけではなく、恩師の「キレるポイント」というのは、おもに2つだったと記憶している。
1つは、公共の場でのたばこを吸っている人間に対する嫌悪である。
たばこが大嫌いな恩師は、何のデリカシーもなく公共の場でたばこを吸っている人に、当時メチャメチャ腹を立てていた。
私もたばこを吸わない人間なので、その意見には、強く賛同していた。
10年たった今、状況はかなり改善されたのではないか、と思う。食堂や喫茶店でも、分煙という概念があたりまえになってきた。
ただ、それだけに、いまだに、たばこを吸わない人が近くにいるのにもかかわらず、平気でたばこを吸っている人を見ると、
「お前、いつの時代の人?」
と、問い詰めたくなる。
もう一つ、恩師が腹を立てていたのは、「略語」である。
恩師が勤務していた「学校」という場では、教師にしか通用しないような「略語」が多すぎる、というのである。「略語」は、その集団にしかわからない閉鎖的な言葉、つまり業界用語であり、そんな言葉を使い続けているから、いつまでたっても教師というのは社会から隔離された、閉鎖的な集団なのだ、と、これまた強い調子で、主張していたのである。
たとえば、
「しょっかい」
という言葉がある。これを、教師たちは平気で使っているというのである。こうした業界用語を平気で使うことは悪弊にほかならない、と、恩師は主張する。
「しょっかい」って、なんだかわかりますか?
これにも私は、なるほどと思った。ふだん、何気なく業界用語のような略語を使うことがあるが、よくよく考えると、これって、なんかキモチワルイ。
社会に出てから、労働組合が「ベア」とか言っているのも、すごくキモチワルかった。それに、「しょっこん」って、何?あと「じょうせん」。
…とまあ、とにかく私も恩師と同様、業界用語みたいな略語が大嫌いなのである。
もっとも、世代を問わず、いつの世も、略語は使われる。
「その件については、メーリスで流します」
このへんは、ちょっとイラッと来るくらいである。
学生が使う略語で衝撃的だったのは、
「今日、『しゃこう』がありますので、早退します」
である。「しゃこう」???
「しゃがく」と言っている学生もいたな。
とにかく自分だけは、なるべく略語を使わないようにしようと心がけているが、果たしてちゃんと実行されているかどうかは、心もとない。
もし私が労働組合の委員長になったら、
「業界用語をすべて廃止する!」
という方針を、真っ先に決めるだろうな。
…もっとも、なりたいとは思わないし、そんなことを言うヤツは、なれない。
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