誰が半熟卵がいいって言った?
戸田学『上岡龍太郎 話芸一代』(青土社、2013年)より、上岡流講談「キヨスクにおけるベストセラーの考察」の一節。
「あの鉄道弘済会のゆで卵ちゅうのは、必ず、あの、カッチンコのよく茹でになってます。ご存じですね。あれは正しいゆで卵の姿です。半熟卵、ご存じですね。あれは、邪道です。「俺はゆで卵を食うぞ!」と決めたクセに途中で止めて半熟にする、というのは、もってのほかです。ゆで卵というのは、カッチンコに茹でたやつを喉につめて、ホッホッホッと、こうむせながら食う。この肉体と卵の葛藤の中に美があるんですね。こういう観点から私は弘済会出入り業者の、あの断固たる茹で方をこよなく愛しております」
まったくもって同感。
最近のラーメン屋さんって、なぜか、よく得意げに「半熟卵」を売りにしたりしているけれど、私には、半熟卵のどこがいいのか、まったくもってわからない。
ラーメンにのせるゆで卵は、カッチカチのものが好きなのだ。半熟を強制されてはたまったものではない。
半熟卵が美味しいって、誰が決めたんだ?
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