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最悪のコンディションでも美味しいコーヒー

11月13日(水)

午前、隣県からお客さんが来ることになっていた。久しぶりにお会いする方である。

別の用事でこちらに来るついでに、私の仕事部屋に20分ほど立ち寄ってくれるという。

私の散らかっている仕事部屋を見られるのは、かなり恥ずかしい。ふだん見慣れている人ならまだしも、めったにお話しする機会のない方だけに、よけいに恥ずかしいのだ。

いま私の仕事部屋は、私以外に、もう1人だけ座ることのできるスペースがある。しかもかなり窮屈である。

そして、かろうじて、コーヒーメーカーを置くスペースを確保した。

いま、私のもっぱらの楽しみは、自分の仕事部屋で、先日もらったコーヒー豆でコーヒーを淹れて1人で飲むことなのである。

(せっかく来ていただいたのだから、コーヒーを飲んでいただこう。しかし、こんな汚ったねえ部屋で飲めるか!って言われそうだなあ)

本来ならば、コーヒーを落ち着いて飲んでいただけるような環境をととのえなければならないのだ。しかし実際は、その逆である。

それでも、コーヒーを入れる準備をした。

お客さんが来た。

「散らかっていてすみません。どうぞ」

窮屈なパイプ椅子に座っていただく。

「コーヒーお飲みになりますか?」

私はそう言って、コーヒーメーカーでコーヒーを作り始めた。

なにしろ、「淹れたて」が重要なのだ。

雑談をしているうちにコーヒーができあがった。

話をしている途中で、コーヒーを飲み始めたそのお客さんは、

「あ、このコーヒー、すごく美味しいですね」

と、ふつうに言ってくれた。

もらったコーヒー豆は、その店のこだわりの一品というべきもので、美味しいに決まっているのだが、だがそんな予備知識もなく、しかも知識のない私がコーヒーメーカーで適当に淹れたもので、さらには汚ったねえ私の部屋という最悪の環境で飲んでいるにもかかわらず、

「美味しい」

と、言ってくれたのである。

つまり、もともとの自家焙煎したオリジナルブレンドのコーヒー豆が、どんだけすごいかってことですよ!

最悪のコンディションで飲んでも、そうとう美味しいのである。

最高の環境で飲んだら、イヤなことなんて、すぐに忘れてしまうんじゃないだろうか。

だからここ数日の私の「やる気スイッチ」は、このコーヒーなのである。

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職場の出来事」カテゴリの記事

コメント

刑事 コーヒー、飲むか?

男 (...)

刑事 そろそろ本当のことを言ったらどうだ。だんまりを決めている間にも、我々の仲間が着々と調べを進めているんだからな。

男 (...)

刑事 雨でぼやけた山の写真に、足取りを悟られないような慎重な言い回し。そして、ご丁寧にもコメント欄まで封鎖するとは、相当アリバイを隠したいようだな。

男 (...)

刑事 まあいい。では、この証拠写真について訊ねよう。この写真には薪小屋が写っているから、「薪ストーブ×喫茶店」の検索ワードで、グルメ検索サイトの「食べログ」を徹底的に捜索されるくらいのことは、アンタも想定済みだったろう。

男 (...)

刑事 だがな、その薪小屋の右横には、白樺が写り込んでいる。

男 (...)

刑事 アンタ、白樺の植生分布は、どこまでだか知ってるか?

男 (...)

刑事 教えてやろう。西は福井、南は静岡までだ。だから、アンタが犯行当日に訪れた喫茶店は、ここより北にあることになる。

男 (...)

刑事 犯行当日は寒い雨降りで、とても「ドライブ日和」なんて気分じゃない。しかも、その日の午後10時にブログ記事を投稿しているということは、日帰り旅の強行軍だ。そこまでして犯行場所に出かけたのは、アンタに「そこを訪れたい」という強い動機があったからだ。

男 (...)

刑事 とはいえ、「前々から行きたいと思っていた」とアンタはブログに書いているが、今までのアンタのブログ記事を漁っても、その喫茶店のことはまったく出てこない。そもそも、アンタの愛車にはカーナビがついていないから、うろ覚えの店名だけでたどり着けるはずがない。

男 (...)

刑事 つまり、アンタは、その喫茶店がその場所に確実にあることを知っていたんだ。なぜなら、かつて訪れた時に、その目で見つけていたからだ。几帳面な性格のアンタのことだから、店の看板を写真に撮っておいて帰宅後に住所を確かめるくらいことは、やっていただろう。

男 (...)

刑事 アンタが何度も通って土地勘があるだろう「高原」は、少なくとも2つある。「「高原へいらっしゃい」の高原」と、「唐辛子ソース・ハンバーグの店に程近い高原」の2カ所だ。しかも、どちらも白樺の植生分布の範囲内だ。

男 (...)

刑事 もう1カ所、アンタの自宅の目と鼻の先にも「高原」があるが、そこではない。喫茶店の主人との会話で、雪の降り出す時期を聞いていただろう。自分の住んでいる地元の気候を、わざわざ訊ねる馬鹿はいない。

男 (...)

刑事 雪が12月から3月まで降ると言えば、まさにアンタの住んでいる県のことを指しているんじゃないかと思う者もいるだろうが、もっと南にあっても標高が高ければ、雪は平地より早く降る。だから、さっきの2つの高原に絞られる訳だ。

男 (...)

刑事 さて、どちらの高原に行ったのか。それは、次の、コーヒーカップの写った証拠写真から分かる。このコーヒーカップの縁には、飲んだ唇の跡がはっきりついているが、中のコーヒーは、なみなみと注がれたままだ。ということは、これは「お代わり」した2杯目のコーヒーということになる。

男 (...)

刑事 先ほどの、薪小屋が写っている写真と比べると、窓の外の日差しは明らかに暗くなっている。まあ、この明るさからして、2杯目のコーヒーを頼んだのは、午後3時過ぎといったところか。山の日暮れは早いから、この季節なら午後4時半にもなれば、辺りは暗くなってくる。いくら土地勘があっても、人里離れた山の中だ。辺りが暗くなれば、カーナビがない以上、帰り道は心細い。そこで2杯目のコーヒーを飲み干した後、遅くとも午後5時前には、その喫茶店を出ただろう。

男 (...)

刑事 さて、ブログ記事が書き終わったのが午後10時22分。帰りの車の中で構想を練る時間はたっぷりあったろうから、アンタの超絶過ぎる筆力から考えて、1時間もあればブログ記事を書き終えられただろう。とすれは逆算して、ブログを書き始めたのは午後9時半。だが、家に着くなり、ブログを書き始めるとは思えない。まずは一休みするだろうから、その時間を1時間と見れば、家に到着したのは午後8時半。

男 (...)

刑事 犯行現場の喫茶店を出たのが午後5時であれば、帰路にかかった時間は3時間半。途中で夕食の時刻になるから、どこかのサービスエリアで晩飯を食べるのに1時間かかったとして、正味2時半の行程だ。高速道路で換算すれば、アンタの自宅から犯行場所の喫茶店までの距離は、200~250キロ圏といったところだ。

男 (...)

刑事 もう分かったな。「高原へいらっしゃい」の場所は遠すぎるんだ。残るのは「唐辛子ソース・ハンバーグの店に程近い高原」しかない。

男 (...)

刑事 「NAVITIME」ホームページの「自動車ルート検索」で調べると、アンタの自宅から唐辛子ソース高原までの距離は203Km、所要時間は2時間16分だったよ。この推理、いい線行っているとは思わないかね?

男 (...)

刑事 ここまで言っても、まだシラを切るつもりかね。まあ、いい。ちょうどコーヒーが出来たようだ。1杯どうかね。

(ゴクリ)

(う、うまい)

刑事 ほう、お気に召したようだね。実はこう見えても凝り性なもんでね。アンタのブログ記事を読んでいるうちに、自分でもいろいろとコーヒーの淹れ方を調べて、研究していてね。

男 (...)

刑事 淹れ方は簡単だ。コーヒー粉をメジャー・スプーンでしっかりと計って、人数分入れたら、コーヒーメーカーに入れる水の分量を人数の半分にする。そして、水がなくなったところで、ロウトを外して、もう半分の水を入れる。つまり、半分の湯量でコーヒーを抽出して、残りの半分の量は白湯を入れるんだ。こうやって、コーヒーの「雑味」が出てくる前に抽出を終えてしまうことで、すっきりとしたコーヒーが楽しめる。すぐに保温ポットに密閉してしまえば酸化が遅くなるから、しばらく経ってもコーヒーは酸っぱくならない。

男 (...)

刑事 肝心なのは、抽出量を正確に守ることだ。「コーヒー粉がもったいない」と欲を出して多めに抽出すると、ロウトの中にとどまっていた雑味が途端に漏れ落ちてきてしまう。

まあ、人生も同じようなものだ。ブログ記事に書いておきながら、喫茶店のありかを自分だけの秘密にしておきたいという欲心があるから、隠したつもりでも、行間にいろいろ漏れ落ちてしまうのさ。

男 (...)

刑事 さ、アンタは私のコーヒーの秘密を知ったんだ。

   今度は、アンタが秘密を教える番じゃないかね。

投稿: コーヒー刑事こぶぎ | 2013年11月16日 (土) 01時46分

金田一耕助「まいりましたねえ、日和さん」

日和警部「今度はどうした?」

金田一「ずいぶん横暴な刑事が、『よし、わかった!』と、片手でつくった握りこぶしを、もう片方の手のひらに叩きつけながら、乱暴な推理をするんですから」

日和「そりゃあ、わしの同僚の等々力君じゃな。加藤武が演じた」

金田一「写真に写ったコーヒーが2杯目であるとか、帰りの時間が8時半とか、ピタリと当てたところは、たしかにすごいですねえ」

日和「うむ。わしもそう思う」

金田一「ここまで推理されるとは思いませんでした。いや、場所のことはどうでもいいんですが、行動パターンをかなり読まれていることに驚いたんです」

日和「こうなると完全に、脳の中を見られているような状況じゃな」

金田一「僕はねえ、日和さん、だんだん疲れてきたんですよ」

日和「金田一さんらしくないのう」

金田一「別に書く義務なんかないのに、毎日何か書かなきゃ、という強迫観念みたいなものに襲われて、そのために何か面白いことがないか、と、ネタを探してふらふらと彷徨う」

日和「ふむふむ。たしかに最近、ネタ切れのようじゃな」

金田一「もう1400本以上も書いています」

日和「少し休んだらどうじゃな」

金田一「そうですね」

日和「それがいい。いつぞや、さわやかな路線をめざしたことがあったじゃろ」

金田一「ええ」

日和「あんな感じで、肩肘張らずに書けばよかろうに」

金田一「日和さん」

日和「何じゃ?」

金田一「それじゃあ、僕が書く意味がないです」

投稿: onigawaragonzou | 2013年11月17日 (日) 01時13分

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