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キャッツアイか!

11月5日(火)

長い出張から戻り、久しぶりに職場の仕事部屋に行くと、ドアのところにマグネットで何か貼ってある。

手帳の切れ端と思われる紙に、汚ったねえ字で、

「毒ラムネ三兄弟 長男(A)

 また来ます!   K」

と書いてある。

2011年3月に卒業した、A君とKさんである。

この二人にNさんを加えた3人を、「毒ラムネ三兄弟」と名づけたのは、ほかならぬこの私である。その由来については、以前に書いたことがある

それにしても、手帳の切れ端に、殴り書きみたいな字で書かれているのはどうだろう。それに、日付も書かれていないので、いつ来たのかもわからない。

「毒ラムネ三兄弟」ならぬ、キャッツアイだな、これじゃあ。

出張中に遊びに来たのだろうか?相変わらず、間(ま)の悪い連中だ。

それにこういう場合、ドアノブにお土産のお菓子のひとつもぶら下げておくものだろう。

まったく、相変わらず気が利かない連中だ。

…とまあ、軽口はともかく、この年度の卒業生には格別の思い入れがある。

卒業直前に震災に遭い、卒業式をすることができなかったのである。

3月11日に震災が起きてから、25日に卒業するまでの間、彼らと過ごした日々のことは、生涯忘れないだろう。彼らもまた、同じだろうと思う。

もちろん、彼らの年度だけではない。すべての年度の卒業生に、思い入れがある。

たとえば、2009年3月に卒業した学生たち。

ちょうど私が韓国に留学していたときで、彼らの卒業式に立ち会うことができなかった。

卒業式が終わったあと、その中の一人が、韓国にいる私にメールをくれた。

「先週、無事に卒業式を終えて、1日からいよいよ仕事が始まります。

あらためて、4年間お世話になりました。この専攻分野を選んでよかったなあと思います。

先生もこれから長いですが、体に気をつけてほどほどに頑張ってくださいね。

そのうちまたみんなで飲みましょう!」

ふだん面と向かってお礼など言われた記憶がなかったので、気恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。

だが何より嬉しかったのは、メールをくれた時間である。

メールをくれたのは、4月1日の午前0時過ぎ、つまり、学生として、最後の最後に迎えた夜に、私にメールをくれたのである。

(学生として過ごす最後の時間に、私にメールをくれたんだなあ)

それはその卒業生にとっても、「学生から社会人へ」と変わるための、儀式のようなものだったのかもしれない。

…ん?自分に都合よく解釈しすぎか?

いずれにしても、私にとって思い出に残るメールであることには変わりない。

「そのうちまたみんなで飲みましょう」という提案は、まだ果たされていないが、それはそれでよい。

そのうちいつか、実現するだろう。

期待しないで、待っていよう。

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