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ふたたびの報告会

12月13日(金)

夕方、海外実習の報告会を聞きに行く。

うちの部局の学生30人ほどが、夏に台湾に2週間ほど実習に行ったのだが、その成果報告会が開かれたのである。私は実習を引率したわけではないが、「事前学習」の段階から、ずっとこの実習を「見守って」いた。

本音を言えば、私も台湾に行きたかった…。

まあそれはともかく。

なんの報告会か、というと、この実習中に行われた「街頭調査」の報告会である。

さまざまなテーマを設定し、そのテーマに合わせて、現地に行き、そこにいる人たちにインタビューたりして、自分たちの疑問を解決していく

中国語もままならない学生たちが、台湾の大学生と仲良くなりつつ、さまざまな手段でそのテーマにせまらなければならない。

はたしてその成果やいかに?

30人の学生たちは、いくつかのグループに分かれて、それぞれの調査成果を発表した。

面白かったのは、調査成果ではない。

調査の過程で巻き起こる、さまざまな出来事である。

さまざまな台湾人と出会い、最初は困惑しながらも、次第に理解し合っていく。

その過程が、メチャクチャ面白いのだ!

それはまるで、ドキュメンタリーである。

だから、調査のテーマなど、あくまできっかけに過ぎない。大事なことは、それをきっかけに、いかに台湾の人たちと接したり、台湾について考えたりすることができたか、である。

学生たちの報告は、それが確実に、彼らに大きな影響を与えたことを、よく示していた。

実習前の、「事前学習」から見守ってきた私には、それがよくわかる。

夕方4時半に始まった報告会が、7時過ぎに終わった。じつに2時間半である。

終わってから、この実習を大車輪で実現させた同僚のNさんとKさん、そして実習に参加した3年生のS君、1年生のI君、H君とともに、打ち上げをする。

実習の参加していない私はそもそも部外者なのだが、それにしても、実習に参加した彼らの話は、むちゃくちゃ面白かった。

彼らは、私が40歳の時に気づいたことを、すでに20歳そこそこで気づいたのだ。

それだけでも、この実習は成功だったといえるだろう。

ただ、相変わらず心配なのは、この実習の意図を、ほかの同僚がどれくらい理解してくれるか、である。

その点を考えると、どうにも気が滅入ってくる。

NさんやKさんが打ち立てた主旨が、この先も受け継がれていくのか。

その点だけは、願わずにいられない。

学生たちとすっかり話し込んでしまい、気がつくと日付が変わっていた。

慌てて店を出ると、店を入ったときに降っていた雨が、大雪に変わっていた。

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