あどけないスポーツドリンクの話
12月19日(木)
同世代の友人と、スポーツドリンクの思い出話になった。
私がスポーツドリンクを生まれてはじめて飲んだのは、中1の時である。
家の最寄りの駅から電車で3つめの駅のところに、少し年の離れたいとこのお兄さん、というかおじさんが住んでいて、英語の教師をしていたのだが、毎週土曜日の朝、英語を教わりに、その家に行った。
そのいとこは、かなりの変わり者で、のちに小さな新興宗教に入信し、私も高校時代に、危うくその宗教に入信させられそうになって…。
…まあ、そんな話はどうでもよい。結局英語も、1,2カ月で習うのをやめてしまった。
ある日、英語の勉強が終わって自分の家に帰る途中で、喉が渇いたので、駅の近くの自動販売機で、生まれて初めて250mlの缶のスポーツドリンクを買ってみた。発売されたばかりで話題になっていたので、どんな飲み物か、試してみたかったのである。
当時はスポーツドリンクとは言わず、「アルカリイオン飲料」といっていたと思う。商品名は「ポカリスエット」である。
飲んで、「ウッ!」となった。
不味いのである!
はじめて飲んだときの印象は、たしかに不味かったのである。
「そんなことはないでしょう。美味しかったでしょう」
「いえ、不味かったのをはっきり覚えています」
「ポカリスエットの前に、ゲータレードというスポーツドリンクがあったでしょう?」
「もちろん知ってますけど、その頃は、飲んだことはなかったですよ」
「そんなことはないでしょう。よくゲータレードの粉末を、水に溶かして、部活の時とかにみんなで飲んだでしょう」
…記憶にない。私の町には、ゲータレードなるものは、売っていなかったのではないだろうか?
とにかく、はじめて「ポカリスエット」を飲んだときの、
「な、何じゃ?この味は!」
という感覚は、今でも忘れない。
今考えるに、それまで、コーラだの、ファンタだのと、炭酸入りの甘いジュースばかり飲んでいた私にとって、それとはあまりに違うものだったので、衝撃を受けたのだろう。
その点、ゲータレードに慣れ親しんでいた人には、すんなりと受け入れられたのだろう。
それに、ポカリスエットの味は、改良を重ね、発売当初にくらべて、格段に美味しくなったのかも知れない。
現にいまは、美味しいのである。
はじめて缶の「ウーロン茶」を飲んだときも、同じような衝撃だったと記憶する。
さて、調べてみると、ポカリスエットは、1980年に発売されている。つまり私が、中1の時である。
私がポカリスエットをはじめて飲んだのは、発売されてまもなくのことだったのだ。
ゲータレードが日本で発売されたのが、1968年だから、こちらのほうが、日本におけるスポーツドリンクのハシリなのである。
ポカリスエットが発売される以前から、ゲータレードにすでに慣れているというのは、先見の明があるというか、おませさん、というべきだろう。
なぜなら、ポカリスエットによって、「アルカリイオン飲料」というジャンルが、日本で認知されるようになったのではないか、と思われるからである。
ここまで書いてみて、同世代諸賢にあらためて問う。
はじめてポカリスエットを飲んだとき、どんな感じがしたか?
はじめて飲んだとき、「不味い!」と感じたのは、わたしだけだったのだろうか?
ポカリスエット以前に発売されていたゲータレードは、よく知られたスポーツドリンクだったのだろうか?知らなかったのは私だけなのか?
ポカリスエットの味は、改良を重ねられて、発売当初に比べると格段に美味しくなっているのだろうか?
あどけない、スポーツドリンクの話である。
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