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江戸のスカイツリー

1月12日(日)

子どもの頃、地下鉄の都営新宿線が開通した。最初は全線開通ではなく、部分開通だった。

京王線をよく利用していた私は、京王線と乗り入れている都営新宿線の車両を見て、ビックリした。

行き先が「大島」と書いてあるではないか!

子どもの頃の私は、都営新宿線の行き先表示にある「大島」を、伊豆大島のことだとずっと思っていた。

(すげえなあ。あの地下鉄に乗れば、伊豆大島まで行けるんだ!)

ギャグではなく、本当にそう信じていたのである。

私は、「大島」行と表示された都営新宿線の車両を見ては、「いつかあの地下鉄に乗って、伊豆大島まで行ってみたい」と夢想したものである。

都営新宿線の「大島」駅が江東区にあることを知ったのは、それからしばらく経ってのことである。

今日はその「大島」駅でおり、そこから散歩がてら、初めてスカイツリーに行くことにした(前フリが長いなあ)。

デジカメをもっていくのを忘れたので、ガラケーのカメラで撮ることにした。

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空の様子がなんとも幻想的な感じになってしまったが、正真正銘、ガラケーで撮った写真である。かえって、スマホで撮った写真よりも芸術的な写真ではないか!と負け惜しみを言ってみる。

そういえば以前、このブログのコメント欄で、こぶぎさんの挑発に乗って、「江戸のスカイツリー」という創作落語を作ったんだった。

私がとても気に入っている自作落語なので、以下に再掲する。

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「江戸のスカイツリー」

おい、そういえば最近、八っつぁん見ねえな。あいつ、どうしてんだい?

どうも本業の大工の仕事が忙しくって、夜も日も明けず仕事をしているらしいぜ。なんでも、期日までに完成させないといけないってんで。

なるほどねえ。「忙しい」ってのは、「心がなくなる」と書くからねえ。しかし、忙しいのはいつものことじゃねえか。

それが今回ばかりは違うんで。棟梁がやたらとああだこうだと文句をつけ、挙げ句の果てには、全然関係のない仕事の愚痴を八っつぁんに言ったりするもんだから、そのたびに仕事がはかどらねえって、文句こぼしていたぜ。それに、周りの気のいい大工連中も、ああだこうだと言ってくるそうだぜ。

それもいつものことじゃねえか。いったいこんどは、何にとりかかっているんだい。

五重塔だってよ。

五重塔?へえ、驚いたねえどうも。何でまた五重塔なんて建ててるんだい?

なんでも、江戸で一番高い五重塔を作るって、息巻いていたぜ。

芝にある五重塔よりもかい?

ああ。押上に作るらしいぞ。

面白そうじゃねえか、行ってみようぜ。

…お!いたいた。あんな高いところに登ってやがる。おーい八っつぁーん!…なんだよ、無視しやがった。おーい!何も無視することはないじゃねえか!

うるせえ!

おいおいなんだい、うるせえとは何だ。人がせっかく、酒でもごちそうしてやろうと思ったのに。いつも一緒に酒飲んでるじゃねえかよ!また一緒に酒飲もうぜ!

いま、それどころじゃねえんだ!もう少しで完成なんだ!黙ってろ!

ずいぶんな言い様だねえ。そんなこと言ったらねえ、もう遊んでやらないぜ。

おお、けっこうよ!

それにしても、ずいぶん高い五重塔だねえ。あんなに上まで登って大丈夫かねえ、八っつぁん。おいおい、何かグラグラしているじゃねえか。

やがて五重塔は一瞬にして崩れ落ちた。

大丈夫かぁ!八っつぁーん。

やがて五重塔の瓦礫から出てきた八っつぁん。

おお、無事だったか!しかしなんで、あんな簡単に五重塔が倒壊したんだ?

いけねえ。忙しくって、心柱(しんばしら)を立てるのを忘れてた。

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ご存じ、「江戸のスカイツリー」でございました。

我ながら、オチが秀逸だ!と自画自賛。

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