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N君、来たる!

2月5日(水)

昼休み、ひとりの食事が終わって仕事部屋に戻ろうとすると、昨年3月に卒業したN君とバッタリ会った。

「先生、お久しぶりです!」

N君は今、東京のある企業に勤めている、社会人1年生の営業マンである。

「どうしたんだ?」

「先生に会いに来たんです」

さすが営業マン、嬉しいことを言ってくれる。休みを取って、深夜バスで来てくれたらしい。

「先生、今日の夜、ヒマですか?」

「ヒマってことはないが…時間はないことはない」

「僕、このあと最終の新幹線で帰るんで、それまで夕食でもどうですか」

ということで、N君と同期で在学中のOさん、Fさんも交えて、夕方、駅前の沖縄料理屋に行くことになった。

N君は在学中、うちの大学の「花形サークル」の会長をつとめたり、学園祭の実行委員長をつとめたりと、まあ忙しいヤツだった。

いまは営業マン。たぶん天職だろう。N君の特徴をひと言で言えば、「めげないヤツ」、あるいは「超プラス思考」である。そんな彼が、なぜ、こんな「マイナス思考」の私のもとで勉強していたのか、いまだに謎なのだが。

「まだ入社して1年ほどですが、仕事をつらいと思ったことは1度もありません」という。それはそうだろう、と思う。N君のことだから、みんなに愛されているのだろう。

あまりお酒を飲まないつもりだったが、あまりに3人の話が面白くて、つい、泡盛のロックに手を出してしまう。気がつけばもう3杯目である。

とくに、N君とOさんの丁々発止のやりとりは、彼らが大学2年の時から聞いているが、いつ聞いても面白い。

私がひそかに自慢に思っていることは(ここからは自慢話)、

もともと、N君とOさんは、2年生のときまで、全く違う分野を専攻していた。

しかし、今ひとつ、自分が専攻した分野の勉強が面白くない。

そんなとき、私の授業を聴いて、「これだ!」と思った、という。

異なる分野を専攻していた2人が同時に、奇しくもそんなことを思い、2人は私のもとにやってきたのである。

…私が言ってるんじゃないですよ。本人たちがそう言っていたんですから。

これを「因縁」と言わずして、何と言おう。

気がつくと、最終の新幹線が出発する10分前である。

つかの間の時間だった。N君は駅に走っていった。

私は3人との「因縁」を感じながら、雪道を帰った。

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