報われるとき
以前書いてみたのだがボツにした話を掲載する。
うちの職場には、「学生表彰」というのがあって、大きなイベントを成功させた学生とか、ボランティアを頑張った学生を、毎年何人か選んで、表彰をしているらしい。
だが私が本当にやってみたいのは、目立たないところで苦労をした学生を、表彰することである。
私のまわりには、目立たないところで苦労している学生たちが多い。
目の前に立ちはだかる問題をどうやって解決していくか。それを一生懸命に悩み、考える学生が多いのである。
たとえば、Aさんの場合。
ある組織で起こった問題を解決し、よりよい方向に進ませるために、さまざまな提案をするのだが、まわりからすれば、それは面倒くさいことだととらえられてしまう。苦労して考えたことも、冷ややかな視線を浴びせられると、それだけで心が折れそうになってしまう。
メールに、「背負ってしまったものが重すぎ、大きすぎで、なかなかうまくいかないこともあるんだと痛感する毎日です」と書いてあった。
結局、その学生が考えた末の提案によって、何がどう変わったのか?実は、多くの人には、見えにくいものだろう。
しかし大事なことは、その学生の中に確実に、「問題をそのままにしない」「問題の解決のために具体的にどうするかを考える」「自分のできることをできる限り実行する」という意識が、芽生えたことである。
私は返事を書いた。
「こちらがよかれと思ってやったことに対して、風当たりが強くなったり、「めんどくせえな」という無言の空気を感じたりすることは、私にもよくあることです。
たぶんそういう人たちは、どこにでもいて、それに対してあなたのような人間は、いつも面倒な役回りになるのだと思います。
しかし、1つだけ言えることがあります。
それは、何年か経って、あなたと同じようなことを考えたり悩んだりする後輩が、必ず現れてきます。たとえばそれは、今ではなく、大学を卒業してからかもしれません。
もしその後輩に相談を受けたら、あなたはその後輩に、はっきりと言うことができるでしょう。
「あなたの考えていることは、間違っていない」と。
そのときに、あなたのやってきたことは、報われるのだと思います。」
ちょっとわかりにくかったか?
もちろんこれは、自分に言い聞かせていることでもあるので、わかりにくくてもかまわない。
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