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知らない町をなめてかかるな!

2月1日(土)

知らない町を、なめてかかってはいけない。

そもそもこの日に、仕事で東海地方の中核都市であるN市に行かなければならないことはわかっていたのに、

「どうせ、ホテルなんて掃いて捨てるほどあるんだろう」

などと高をくくっていたのが悪かった。だいたい、N市に行くことなんて、今まで数えるほどしかなかった私が、なめてかかったのが悪い。

1週間ほど前に、旅行サイトからホテルを予約しようとしたら、

「この日に泊まれるホテルは1軒もありません!」

と答えて来やがった。この日、N市のホテルはどこも満室なのである!

こりゃあ困った、と、慌てて周辺を探してみるが、見つかったのは、N市の隣のT市にある、N駅近くのホテル、ただ1軒だけだった。

(どこだ?T市のN駅って…)

全然わからないが、背に腹は替えられないので、とりあえず予約した。N市のN駅から、私鉄に乗って行くということだけはわかった。

さて当日。

今日は、N市のN駅から地下鉄で9駅ほどの場所で仕事があり、夕方に終わると、その仕事先のすぐ近くの料理屋さんで懇親会である。総勢20名以上が参加した。

懇親会の最中も、T市のN駅のことが気になって仕方がない。懇親会に参加している地元の方に何人か聞いてみたが、

「T市のN駅?聞いたこともありませんなあ」

という。地元の人たちにもよほど知られていない場所らしい。

さて、懇親会はそれなりに盛り上がり、みんなけっこういい心持ちで酔っ払って、気がつくと9時半である。

会はお開きとなり、N市のN駅に向かう地下鉄に乗り、三々五々、各自が泊まっているホテルのある最寄りの駅で、降りていった。

最後まで残り、N市のN駅で降りたのは、ボスと、研究仲間のIさんと、私の3人。時間は夜10時すぎである。

「もう1軒行くか」とボス。ボスはこのN市のN駅の近くのホテルに泊まるらしい。

「いいですねえ。行きましょう」とIさん。Iさんは、日本酒をしたたかに飲み、かなりハイテンションだった。

私は、自分が泊まるホテルの場所がどこかもよくわからなかったので若干不安だったが、断るわけにはいかない。なにしろ、ボスは話し足りなそうなのである。

土地勘がないので、どこに飲み屋があるかもわからなかったが、とりあえず駅ビルの上の方に飲食店街があるのを見つけ、その中の1軒に入る。

閉店時間の11時にお開きとなり、2人とお別れした。

さて、ここからT市のN駅に向かう私鉄の駅を探さなければならない。

なにしろ今まで、乗ったことがないのだ。

案内表示に導かれながら私鉄の駅に着くが、やっかいなことに、N市のN駅から、私鉄の路線が四方八方に広がっていて、いったいどの路線に乗ればいいのかわからない。

駅員さんに聞いた。

「あのう、N駅に行くのは何番線ですか?」

「4番線です」

「次は何分ですか?」

「15分です。そのあとは39分です。それが最終です」

時計を見ると11時14分。

急いで4番線に行く。ギリギリ15分発の電車に乗ることができた。乗ったと同時に発車。

(本当にこの電車は、目的のN駅に着くのだろうか?)

若干不安だったが、仕方がない。

不安は的中した。

この電車は急行で、N駅には止まらなかったのだ。

気がついたときには、N駅の3つ先のO駅である。

(困ったなあ)

残る方法は、O駅で降りて、その足で反対側のホームに行き、逆から来る電車に乗ってN駅に戻ることである。

O駅で降りて、急いで駅員さんに尋ねる。

「あのう、N駅に行く電車はまだありますか?」

「もう終わりました」

えええぇぇぇぇぇ!

仕方がない。この駅で降りて、タクシーで行くしかない。

駅のロータリーで10分くらい待っていると、タクシーが来た。

「N駅の近くの○○ホテルまでお願いします」

「わかりました」

「N駅って、急行がとまらないんですねえ」

というと、

「ええ、何もないところですから」

という。どうりでみんなが知らないわけだ。

ようやく目的地のホテルに着いた。

夜12時である。あたりは真っ暗でよくわからない。

俺はいったい、何をやっているのだ?

そして、ここはどこなんだ?

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