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まるっと

先週末のボランティア作業の打ち合わせでの、作業仲間たちの会話。

「あと、どのくらい残ってます?」

「ひと箱、まるっと残ってます」

「じゃあこちらの方は?}

「ええ、こちらの方も、まるっと残ってます」

まるっと???

そういえば以前、同世代の友人からのメールにも、

「まるっと含めて」

という言葉が書いてあって、「まるっとって、何だ?」と、例によって気になって仕方がない。

若者言葉でないことは確実である。なぜなら、使っているのは、いずれも私と同世代の人たちだからだ。

だとしたら、当然私も知っていなきゃいけない言葉なんじゃないか?ますます気になりだした。

作業仲間たちが真剣に議論をしている中、思い切って聞くことにした。

「あのう…」

「何でしょう?」

「先ほどから、『まるっと』『まるっと』とおっしゃってますけども、『まるっと』というのは、どこかの方言か何かですか?」

「はぁ?」議論をしていた3人ともが、怪訝な顔をした。

知っていて当然の言葉ですけども?みたいな反応である。

「方言…ではないと思いますけど。ふつうに使いますし」

「どんな意味なんです?」

私が聞き返すと、3人ともが「お前、そんなこともわからないのか」という顔をした。

「全部とか、まるごととか、そういう意味です」

完全に呆れられてしまった。

「そんなくだらないことはどうでもいいから、時間がないので真面目に話しましょう」

ということで、この話はここで打ち切られて、打ち合わせが再開された。

私は完全に、話の腰を折ったというか、水を差したというか、とにかく打ち合わせの貴重な時間を浪費させたことに、ひどく落ち込んだ。

しかし気になって仕方がない。

インターネットという便利なもので調べてみると、

「『まるっと』とは『まるごと、全部』を意味する方言である。 特に愛知県周辺において使用される。TVドラマ『トリック』において仲間由紀恵が使用していたことにより全国的に広まった」

とある。ほら、やっぱり方言だったのだ!

ただ、仲間由紀恵はたしか愛知県ではなく、沖縄県出身だったはずであるが、「トリック」を監督した堤幸彦氏が、愛知県出身だったことが、ドラマの中で「まるっと」という方言を使用ことと関係しているのだろう。

しかし、この「まるっと」という言葉、どの世代まで広がっているのだろう?少なくとも私は、今の今まで聞いたことがなかったのだ。にもかかわらず、私と同世代の人たちは、ふつうに使っている。

知らないのは、私だけなのか?

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