ぜんぶ除雪のせいだ！
2月17日(月)
朝、家の外へ出てみて驚いた。
アパートの前の道に除雪車が通ったらしく、道路に積もった雪が、道路の両側に除けられている。
そしてそれが、私が車を停めている駐車スペースの前に、うずたかく積まれているではないか！
さながら、車の前に立ちはだかる、白い壁である。
毎年のこととはいえ、この仕打ちには、本当に腹が立つ。
何が腹立つといって、この白い壁が、雪が降ってから数日間にわたって踏み固められた「雪のカタマリ」なので、カッチカチで重いのである。
この白い壁を突き崩さなければ、駐車スペースから車を出すことができない。
つまり除雪車が除雪した雪を、今度は自分たちの手で除雪しなければならないのである。
かねて私は、これを「除雪の２次被害」と呼んでいる。
除雪車は、とにかく道路に降り積もった雪をどかせばいい、とだけ思って、それをところかまわず道の両側に寄せていくが、そこで暮らしている住民たちのことはどうなろうと、一切おかまいなしなのだ。
かくして、「道路栄えて、住民滅ぶ」である！
もはやこれは天災ではない。人災である！
住民たちは、その人災の後始末を、自分たちでしなければならない。
天災となれば仕方のないところもあるが、天災にともなう「人災」となれば、腹も立とうというものである。
いつも、人災の後始末に悩まされるのは、そこに住んでいる人たちである！
これは、世の常なのか？？？
これを解決する方法はないのか？
１つだけ方法がある。
「パンがなければ、ケーキを食べればいいのに」式に言えば、
「雪かきがイヤなら、ブルに乗ればいいのに」
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コメント
「雪かきがイヤなら、ブルに乗ればいいのに」
そう言われて一念発起し、大特（大型特殊免許）を取ったのは5年ほど前。
愛車のミニホイールローダ（除雪仕様）で通勤するだけで、なぜか近所の人から感謝されるようになった。
もちろん、それは表の顔。一たび闇夜が訪れれば、道の両脇の雪壁を道の真ん中に差し戻す「除雪界のバンクシー」として人知れず活動している。
そして今日。
お昼休み、買い物ついでにコンビニの駐車場を除雪してあげていると、
「先生」
と声をかけてきた女子学生がいた。こぶ子さんである。
「先生、いろいろとありがとうございました。いま先生を見かけたので、ご挨拶しておこうと思いまして」
こぶ子さんも、校門の前で車がスタックしていたのを助けたことでしか、つながりがなかったのだ。よく覚えていてくれたものだ。
そういえば、道端ジェシカが拾った会津天宝味噌を持ってきたのも、こぶ子さんだった。
「こちらこそ、ありがとう」
大勢の教員うちの一人であるはずの私に、わざわざ挨拶をしてくれたのは、とても嬉しい。
しかも、教養課程で私が担当した「除雪学概論」という授業を、覚えておいてくれたのだ。
ん？
これは教師冥利なのか？
投稿: 除雪ではなく、除排雪（こぶぎ） | 2014年2月17日 (月) 22時36分
どうも最近、不思議な現象が起きてましてねえ。
どうしたんです？
一夜にして、雪でもって万里の長城を作るヤツがいたでしょう？
ああ、除雪車で道路に積もった雪を道の両側に寄せて作るヤツでしょう。
そうです。前の晩に、苦労して自分の家の前を雪かきしたら、まるでいままでの苦労を無にするかのごとく、一夜にして家の前に城壁のような白い壁を作ってしまうという。
あれには困らされますね。毎年毎年、除雪車によってできたあの｢万里の長城｣のような雪の壁を、今度は住民が除雪しなければいけないので、かえって面倒なんですよね。
ところが、不思議なことにあるとき、とても芸術的な「万里の長城」が作られましてね。
ほう。
この雪の壁を壊すのがもったいないくらい、芸術的な仕上がりだったんです。
まるで、バンクシーのようですな。
そうです。この芸術性の高い｢万里の長城｣を、ぜひ残そう、という気運が高まったんです。
なるほど。しかしそれでは、住んでいる人たちが大変ですね。
ええ。｢排雪｣という問題を考えてませんからねえ。それで住民の一部からは、｢排雪を考えない除雪は、『トイレのないマンション』と同じことだ！｣と、反対運動が起こったのです。
なるほど、それでこのたびの都知事選挙では、｢コストを考えれば、除雪だけで十分だ！｣という｢除雪派」と、「排雪を考えない除雪の推進は、『トイレのないマンション』のようなものだ｣と主張する｢除排雪派」が対立したと、こういうことですね。
ええ。
で、どっちが勝ったんです？
｢除雪｣派です。
ほう。それはまたなぜです。
東京に雪なんか降りませんからねえ。｢除雪｣か｢除排雪｣かなんて、当事者ではないのでどちらでもいいことなんですよ。
しかし、つい先日、東京にも大雪が降りましたね。
そう、だからいまごろになって、｢やはり除排雪派に投票すべきだった｣と言ってますよ。
なるほど。じゃあこれで、少しは変わりますかね。
いえ、変わらないでしょう。
どうしてです？
数日もすれば、すっかりとけてなくなりますから。
投稿: onigawaragonzou | 2014年2月18日 (火) 00時30分