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キレるポイント

前回、反省記事を書いたが、そうは言っても、どうしても解せないことがあるので、書いておきたい。

私自身、いい加減な人間であることは重々承知しているが、そんな私でも、つい神経質になってしまうことがある。

たとえば、正式な会議の場などで、

「これとこれは、日程がカブっております」

とか言われると、イラッとする。

え?どこが?と思うでしょう?

「かぶる」というのは、私にとって非常にくだけた言い回しに聞こえるのだ。

もともと「重なる」という意味で「かぶる」という言葉を一般化したのは、ほかならぬダウンタウンの松本人志である。

松本人志は、「ネタがかぶる」という言い方をよくしていた。つまり、「ネタが重なる」という意味である。

そこから、「重なる」という意味の「かぶる」の使用法が、急速に一般化したのだ。

だから、「かぶる」は、きわめて口語的な表現である。もっといえば、「芸人用語」である。

たとえば、正式な会議の場で、司会をしている偉い人が、

「最近、チャリ通をしている職員による、チャリンコの違法駐輪が問題化しています。ママチャリだけでなく原チャリも同様です」

などと言ったらヘンでしょう?(ヘンだと思っているのは私だけか?)私にとっては、「日程がかぶる」も、それと同じくらい、違和感のある言葉なのである。

日常会話で言うぶんにはかまわない。だが、会議などの場では、「日程がかぶる」ではなく「日程が重なる」と言うべきだと思うのだ。

そんな些細なことに目くじらを立てるな、と思うかもしれないが、私には気になって仕方がない。そこが私の「キレるポイント」なのだ。

「○○目線」という言葉も、口語的である。

たとえば政治家が、マニフェストとかで

「国民目線で…」

などと書いていると、やはりイラッとする。「国民の立場に立って」などと表現すべきだろう。私には言葉を軽視しているように思えてしまう。そういう政治家に限って、「上から目線」の人間に決まっているのだ。

そんな中、今日の会議で配られた書類の中にで出てきた言葉が、

「どローカル」

という言葉だった。自分たちの住む地域が「どローカル」であることを誇りに思い、そこから世界に挑戦していこう、みたいなキャッチフレーズが書いてあった。

どローカル?

一瞬何のことかわからなかったが、その言葉の説明に「『ど』は強調語です」と書いてある。

そこで初めてわかった。

「ど田舎」と同じ「ど」だ、と。

しかし、この「ど」には、あんまりいいイメージがない。

私が思いつく限りでも、「どスケベ」「ど変態」「ど淫乱」「どM」「どS」「どストライク」…。

ほとんどが、品のない言葉に付く強調語である。

「ドタマかち割ったろか!」の「ドタマ」も、「どあたま」がつづまった言い方である。

友達とおもしろ可笑しく話しているときなら、全然問題ない。だがそれを、正式な書類の中で、しかもいい大人たちが何の疑問も持たずに「どローカル」などと書いていると、例によって私は、

ウキィーッ!!!

となってしまうのだ。

それで思わず、会議の席で

「これは品のない言葉ですね」

と言ってしまった。それから、私の具合が悪くなった。

たぶん誰にも理解されないと思うが、そこが私のキレるポイントなのだから、仕方がない。

私のキレるポイントがヘンなのか?

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