バイトといえばおそば屋さん
2月10日(月)
先週、今週と、連日のように学生がアポを取ってやってきて、話を聞いたり相談に乗ったりしている。
1年生から4年生、それに社会人聴講生など。
1日平均3人、ひとり30分としても、1時間半である。それぞれの話に、真剣に対応しなければならないから、けっこうヘトヘトになる。これで、あっという間に1日が終わってしまう。
しかし、決して苦になるわけではない。
夕方、1年生のMさんがはじめて相談に来た。授業で似顔絵を描いてくれた学生である。
「似顔絵をありがとう」というと、
「先生たしか、おっしゃってましたよね。授業が終わりに近づくにつれて、似顔絵というのは似てくるものだ、と。それを思い出して、最後の授業のときに似顔絵を描いてみたんです」
全然覚えていなかったが、やはり私は授業中にそんなことを言ったんだな。
「でも、最初に描いた似顔絵は、決して悪意があったわけではありませんから」
そうか、それもたぶん授業中に言ったんだな。
天真爛漫、というか、話していて、とても気持ちがよい。
聞いてみると、おそば屋さんでアルバイトしているという。
「私の指導学生にも、おそば屋さんでアルバイトしている学生がいるけど、おそば屋さんのアルバイトって、楽しいらしいね」
「めっちゃ楽しいです!」Mさんは目を輝かせた。
そういえば3年生のHさんも、アルバイト先のおそば屋さんの話になると、目を輝かせている。Hさんからは何度も、おそば屋さんのアルバイトが楽しいという話を聞いていた。
私はある仮説に行き着いた。
「おそば屋さんで働くのが楽しいのは、たぶん、おそば屋さんのご主人やおかみさんが、いい人だからでしょう?」
「そうです。その通りです!」
やはりそうだった。Hさんからも、そんなことを聞いたことがある。ご主人やおかみさんがいい人だと、たぶん、とても居心地がいいのだろう。
長続きしているおそば屋さんというのは、きっとご主人とおかみさんの人柄がいいお店なのだろう。
人柄だけではない。職人としての自負もあるのだ。
人柄がいいから、アルバイトの学生も、気持ちよく仕事ができる。
アルバイトの学生も、それにつられて人柄がよくなっていく。
するとますます、感じがいいということで、お客の入りがよくなる。お店の雰囲気もよくなるのだ。
そうか、これは寅さん映画でいうところの、葛飾柴又のだんご屋さんと同じではないか!
もし学生に、「どんなところでアルバイトしたらいいですか?」と相談されたら、こう答えよう。
「老舗のおそば屋さんがいい」と。
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コメント
Mさんの似顔絵、2枚拝見しました。夜職場でクスクス一人で笑ってました。その変化に対する考察も鋭いんだか楽観的なんだか(笑)。
投稿: | 2014年2月11日 (火) 03時43分
いや、心理学の専門家に聞いたら、これは十分に研究の対象になるようですぞ。十分に実験環境を整えれば、認識の深まりと似顔絵の上達との関係が、証明できると思いますぞ。だれか研究してくれないかなあ。
投稿: onigawaragonzou | 2014年2月11日 (火) 21時52分