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4度目の正直

3月1日(土)

昨年卒業した「詰めのあまい学年」ことCさんとは、卒業以来会っていなかった。

Cさんは卒業後、隣県の職場で働いている。仕事が落ち着いたころだったか、メールが来て、「所用でそちらに行くのですが、先生はその日、いらっしゃいますか?」とあったのだが、あいにくその日は出張で職場を不在にしていた。

同様のやりとりがもう一度ほどあり、

「タイミングが合わないものだなあ」

と思っていた。というか、いつも直前にそんなメールが来るので、こちらとしても日程調整ができないのである。

「詰めがあまい学年」たる所以である。

それからしばらくしてまたメールがあり、「今度こそは都合のよい日を調整しましょう」ということで、満を持して2月15日の土曜日に、在学中のOさんも交えて食事会をしようと約束したのだが、この日はあいにく大雪で、県外からの交通手段がシャットアウトされてしまったのである。

「どうしてよりによってこの日に…」

これで3度目である。

こういうのを何て言うの?すれ違い?いや、ちょっと違うな。

とにかく、縁がなかったとしかいいようがない。

まあ仕方がないとあきらめていたが、ようやく3月1日(土)に、4度目の正直で、Oさんと3人で、食事会が実現したのである。

Cさんはクールにみえるが、とても義理堅い人なので、社交辞令に終わらせず、ここまでこぎ着けた、ということなのだろう。

事前に、Cさんがメールで

「何が食べたいですか?」

と聞いてきたので、

「美味しいもの」

と私は答えた。なんともヒドい答えだなあ。

前々日くらいに「もつ鍋は大丈夫ですか?」

と聞いてきたので、

「痛風に悪いかも」

と答えたら、ひどく驚かれた。まさか、もつ鍋を断られるとは思わなかったのだろう。

紆余曲折の末、美味しいやきとり屋さんを予約してくれた。

そこに美味しいモツ鍋もあったので、結局はモツ鍋も食べたのだが。

食べながら、OさんやCさんと話をする。

この2人と話をすると、いつも、

「青春やなあ…」

と思う。話がいつも「青春している」内容なのだ。

2人が対照的だなあと思うのは、Oさんはたいてい、「感情の渦中」に、私に話をしに来る。これに対してCさんは、「感情の渦中」に私のところに来ることは稀で、それが一段落したあと、「感情の渦中」にいた自分を客観的にとらえられるようになってから、私に話をしに来るのである。

この日も、そんな2人のカラーがよく出ていて、聞いていてとても楽しかった。

Cさんは私に、プレゼントを持ってきてくれた。

「先生をイメージしたものです」

いただいたものは、デザインも含めて、まさに私をイメージしたものであった。

私をよく知る人は誰もが、これをくれる。

逆に、このプレゼントをくれる人は、私をよく知る人なのである。

Oさんも、プレゼントをくれた。

「来る途中、先生をイメージしたパンが売っていたので、買ってきました」

と、パンを1つ、くれたのである。

私をイメージしたパン、って…?

ありがたくいただいた。

それだけではない。

「ここは私たちが…」

と、2人がほとんどご馳走してくれたのである。

つくづく、

「美味しいものが食いたい」

などと、傍若無人なわがままを言った自分が情けなくなった。

予定していた2時間があっという間に終わり、お店を出る。2人はバスで隣県に帰ることになっていた。

「先生、お元気で。握手してください」

「また会いましょう」

2人と握手をして、別れた。

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