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ありがたい一夜

3月9日(日)

ありがたい、のひと言である。

夕方6時。私ごときのために、約20名の方が集まっていただいた。かつての上司や、大先輩の同僚にも来ていただいたことに、驚いた。

上は齢80の方から、下は10年近く前の卒業生まで。

企画してくれたのは、私の父よりも年上のIさん、「腐れ縁」のAさん、そして同世代で同郷のSさんである。

思いもかけず、プレゼントをもらった。

私の父よりはるかに年上のIさんが、町中のお店を一軒一軒まわって探し当てたという、鉄瓶である。

人生の大先輩であるIさんとは、何度も一緒に調査に出かけた。

それは、私の人生を変えた、といってもよい調査だった。Iさんにとっても、それは同様であったという。

人生の大先輩から、吟味して選んでくれたプレゼントをいただく、ということなど、人生において、めったにあることではない。人間の縁というのは、じつに不思議である。

寄せ書きの色紙もいただいた。

学生からの寄せ書きをいただいたことはあるが、私より年上の方々が書いてくれた寄せ書きの色紙をいただくのも、めったにあることではない。

本当の意味で、「ありがたい」ことである。

1次会が終わり、2次会へと場所を移す。

2次会の途中でお帰りになるIさんと、固い握手を交わした。

「また、調査をご一緒しましょう」

その後、私を含めた同世代の4人で四方山話をする。

気がつくと午前1時半をまわっていた。

果報者と感じた一夜である。

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