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黒澤映画の三角形

書くことが思い浮かばないときは、「寅さん」の話か、「黒澤映画」の話である。

「黒澤明の映画と手塚治虫の漫画で、人生のほとんどのことが学べる」というのが私の持論だが、黒澤映画に関していえば、「羅生門」「生きる」「七人の侍」は、私にとって「人生の三角形」ともいえる映画である。

「羅生門」で、人間の不条理を知り、

「生きる」で、揺るがない人間の誇りを知り、

「七人の侍」で、自分に与えられた役割を知る。

現実の世の中で目の当たりにするほとんどのことは、この3作品の中ですでに語られているのである。

少なくとも私は、この三角形の中を行ったり来たりすることで、なんとか生きていけている。

そして最も重要な問題は、そのことに気づくかどうかである。

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