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45歳の新人研修

4月24日(木)

昨日は、ひさびさに「死にたい」と思った。

「軽く死にたくなった」のではなく、「ガチで死にたくなった」のである。

それもこれも、左足の激痛のせいである。

昨日の夕方くらいから、左足の痛みが極致に達し、自力で歩行することすら困難になった。

それでも、歩かなければ帰れない。

悪いことに、うちの職場は、山の上にある。急な坂道で足を踏みしめるたびに、激痛が走って死にたくなる。

(ああ、死んじゃえば痛みから解放されるのに…)

10メートル歩くのに1分のペース。

さすがにこれは病院に行かなくてはダメだ、と思い、夕方6時半、やっとの思いで自宅の最寄りの駅近くにある病院に駆け込んだ。

そもそも私は、病院を信頼していない。お医者さんに見てもらったところで、何も解決したためしがないのだ。

しかし、背に腹は替えられない。薬をもらうためには、病院に行かなくてはならない。

激痛をこらえながら、待合室で座って待っていると、会社帰りとおぼしき人たちが、次々と訪れる。

診療時間の終了間際には、製薬会社のセールスマンが、2社、セールスにやってきて、その緊張関係が、見ていてなかなか面白かった。

薬をもらい、やっとの事で家に戻り、すぐに床についた。

翌朝になっても痛みはひかない。しかし仕事があるので、やっとの思いで職場に向かった。

(もう面倒くさいから、ブログもやめちゃおうかなあ。友人も、すっかり読まなくなったようだし。職場が変わって内容もつまらなくなったし)

と思っていたら、ある卒業生から「ブログが更新されるのが楽しみです」とメールが来ていた。

なので、痛みをこらえて更新することにする。

ここからが本題。

えええええぇぇぇっ!!!長いよ!

昨日は、新しい職場の「新人研修」だった。

ベテランの職員さんが、「消防法」の説明をした。

その職員さんが、「消防法」を読み上げたとき、私は違和感を持った。

「…又は居住する防火対象物で政令でテイめるものの管理について権原を有する者は…」

…テイめる?

原文を見ると、「…政令で定めるものの管理について…」とある。

まさか、「定める」を「さだめる」と読めずに「テイめる」と読んだのか?

「政令でテイめる資格を有する者のうちから防火管理者をサダめ…」

また「テイめる」と読んだぞ!だがそのあとの「定め」は、「サダめ」と読んでいる。

どういうこっちゃ?

「定める」の読み方を知らなかったから、「テイめる」と読んだわけではない、ということは、「サダめ」と読んでいることからも明らかである。

では、なぜ「テイめる」と読んだのだろう?

さらに驚いた。

「若しくは用途の変更又は同項第三号にケイげる建築物の建築について…」

ケイげる?

原文を見ると「掲げる」とある。

どういうこっちゃ?

説明の内容よりも、このことが気になって仕方がない。

あとで調べてみると、「定める」を「テイめる」、「掲げる」を「ケイげる」と読むのは、よくあることらしい、ということが、わかった。

役所で法令案や告示案を作成するとき、2人で読み合わせをするらしいのだが、そのとき、原文が漢字で書いてあることを示すために、「サダめる」ではなく「テイめる」と読むそうなのである。「サダめる」と読んでしまうと、漢字で書いてあるんだかどうだかわからなくなるからね。「掲げる」を「ケイげる」と読むのも、同様である。

たとえば、「規定に定めるもの」といった場合、音だけを聞いていると「キテイ」が「規定」なのか「規程」なのかわからないので、

「きサダにテイめる」

と読むのだそうだ。同様に、「規程に定める」の場合は、

「きホドにテイめる」

と読むことになる。もうナンダカワカラナイ。

恥ずかしいことに、私は45歳になって初めて、この事実を知ったのである!

これって、常識に属することなのか???

たぶん、法律業界の人は、みんな知っていることなんだろうな。誰も教えてくれなかったけど。

45歳にして参加した新人研修で、最も勉強になったのは、この「テイめる」の読み方だったのだ!

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コメント

ちょうど、打ち込んだアンケートデータの数字を音声認識ソフトに読ませて原本で確認する「本格的な一人読み合わせ」をしていたので、グッドタイミングな話題。

読み合わせと言えば、昔のバイト先でやらされたんですが、「大久保彦左衛門の「彦」」というフレーズが印象に残っていて、今でも使います。

でも、「おおくぼひこざえもん」と聞いて万人が正しく漢字を思い浮かべられるのか、というのは若干疑問に思いますが。

ちなみに「一人読み合わせ」をすると、引田天功が数える「1,2,3」並に強力な眠気が襲ってきますので、お試しあれ。

投稿: 天功こぶぎ | 2014年4月25日 (金) 08時33分

なぜ、「彦」の例が大久保彦左衛門?

1980年代に、森繁久弥が大久保彦左衛門を演じた時代劇ドラマがあって、一時期大久保彦左衛門がブームになったことがあったけど、その影響か?

考えすぎか。

投稿: onigawaragonzou | 2014年4月25日 (金) 20時31分

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