キョスニム、母校に帰る・その4
6月14日(土)
国際学術大会2日目。
この日は午前で研究発表が終わり、お昼の会食までが、公式行事である。
お昼の会食で、隣に座っていた、中国からいらした研究者が、日本語で話しかけてきた。
いま、日本の大学に滞在しているのだという。
なあんだ、だったら最初から日本語で会話すればよかった。
いろいろ話してみると、なんとその先生は、私の前の職場の同僚だったNさんのことをよく知っていた!
世間はなんと狭いことか!
…というか、そういう話を、もっと早くからしていれば、うちとけられたのに…。
私は「中国語がわからない」という理由でコミュニケーションをとろうとしなかったことを、ひどく後悔した。
やはり、英語と中国語は、勉強した方が絶対によい。
それはともかく。
お昼の会食が終わり、先生方とお別れする。
私にとっては、長い長い、国際学術大会だった。
午後2時。
一昨日にお会いしたナム先生と、ふたたび大学の北門で待ち合わせすることになっていた。
ナム先生の姉夫婦に子どもが生まれたというので、赤ちゃんの顔を見に、姉夫婦に会うことになっていたのである。
それに、もうひとつ重大なニュースがあった。
ナム先生が、この8月に結婚することになり、その婚約者とも会うことになったのである!
何なんだ俺は?親戚のオジサンか?
ということで、ナム先生ご一家と、市内の喫茶店に行って、3時間ほどおしゃべりをした。
話を聞いてみると、昨年9月にナム先生一家とお会いしたときは、まだナム先生はその男性とつきあってはいなかったのだという。
「でもあの時、私に『結婚式にはキョスニムをぜひ呼びたい』と言ってましたよね」
と私が聞くと、
「ええ、覚えてます。でもあの時は、まだ決まった相手がいたわけじゃなかったんです」
つまり、つきあいだしたのは去年の秋以降で、つきあって1年足らずで結婚を決めた、ということになる。
人生とは、ほんとうにわからないものである。そして「結婚式にはキョスニムを呼びたい」という言葉が、8月に実現するかもしれないのだ。
「またお会いしましょう」
みなさんとお別れしたあと、こんどは夕方6時、妻が語学学校でお世話になったキム先生とチェ先生のお二人と、お会いすることになっていた。
キム先生は、妻と私が4級のときに韓国語を教わった先生で、昨日の国際学術大会の私の発表をわざわざ聞きに来てくれた。
もう一人のチェ先生は、妻が尊敬している韓国語の先生である。
サムギョプサルを食べながら、2時間ほどお話をした。
お二人は私たちに、プレゼントをくれた。
チェ先生からは、済州島で買った、おいしいお茶のセットをいただいた。
キム先生からは、何と自分自身で作って焼いた、陶磁器のコーヒーカップをいただいた!
私たちと会うということで、わざわざ作ってくれたらしい。
何より心のこもったプレゼントである。
「本当は、キョスニムをイメージしたトトロのコーヒーカップを作ろうと挑戦したんですけど、まだ腕が未熟なので、ふつうの形にしました。こんどお会いするときはトトロのコーヒーカップをプレゼントします」
「はあ」
トトロのコーヒーカップ、というのがイメージできなかったが、何にせよ私をイメージしてプレゼントをくれるというのは、ありがたいことである。
午後8時過ぎに2人の先生とお別れした。
6月15日(日)
いよいよ帰国の日。
空港に向かう前に、妻の友人である、へジョンさんと会うことになっていた。
へジョンさんは、以前日本に留学したことがあって、その年の年末に、わが家に招待して年末年始を過ごしたことがあった。
物怖じしない、前向きで明るい人で、話していても、楽しい。
時間があっという間に過ぎ、空港に向かうバス停で、お別れした。
…ここまで延々と書いてきてわかるように、今回の旅は、留学中にお世話になった人たちに、できるだけたくさん再会する、というのが大きなテーマであった。
だから、次から次へと、いろいろな人と約束をして、お会いしたのである。
つくづく、留学中はいろいろな人のお世話になった、と思う。
いまでも忘れずに、会う時間を作ってくれる、というのは、ありがたいことである。
そうそう、昨年、語学学校の先生たちと約束した、中国語の勉強は、どうなったかって?
…そのとき約束を交わした3人の先生(ナム先生、クォン先生、チェ先生)とお会いしたが、誰も、勉強していませんでした。
だが別の意味で、やはり中国語を勉強しなければならないと、今回の旅で強く感じたのである。
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