原稿ため込み党、開き直る!
6月26日(木)
以前このブログに書いたが、日本でいちばん大きな図書館の中にある、子ども図書館のホームページに、電子展示会が開設され、そこに、私が書いた「たった3つのセンテンス」が引用されているので、もしよかったら見てやってください。
まったく売れなかった本だったが、その後、人の目にとまり、たった3行だが、子どもたちへのメッセージとして活用されたことは、息を吹き返した感じがして、とてもうれしい。
さて、一昨日に、ある出版社の大型シリーズの原稿を5カ月遅れで脱稿した、と書いた。
すると昨日、今度は別の出版社の大型シリーズへの原稿執筆依頼が来た。
…こう書くと、なにか売れっ子作家みたいだが、こういうのを「自転車操業」という。
シリーズを企画した人の名前を見て、「おや?」と思った。
そこには2人の企画者の名前があったが、いまから7年ほど前、やはり同じ2人が、別の出版社で、大型シリーズを企画して、私に原稿依頼が来たのである。
そのときは、私もけっこうまじめだったので、それほど遅れることなく、原稿を提出したのであった。
ところが、である。
待てど暮らせど、その本が出版されない。
同じシリーズの他の巻は刊行されているのだが、今に至るまで、私が執筆した巻が出ないのである。
つまり、シリーズとしては、未完なのである。
(ははあーん。これは誰か、まだ原稿を出していないヤツがいるな)
1人でもまだ原稿を出していない人がいると、その巻は刊行されない。
業界では、原稿を出さない人を「ストッパー」という。
だいたい誰が「ストッパー」なのか、同じ業界にいれば、おおよその見当はつく。
とくに何巻ものシリーズものの場合、執筆者の数が多いので、そういうケースがよくあるのだ。
しかし、7年間も、書いた原稿が死蔵されているというのは、困ったものである。
にもかかわらず、その2人は、今度は別の出版社から、別のシリーズ企画を立ち上げる、というのだ。
(7年前のシリーズも完結していないのに、また新しい企画を立ち上げて、大丈夫だろうか…)
はたしてこのシリーズはちゃんと出るのか?前のシリーズのように、うやむやにされたりしないのだろうか?
これでは「出す出す詐欺」ではないか!
ということで、依頼を受けるかどうか、目下思案中である。
もうひとつ、実はまだ出していない原稿があった。
ある雑誌から依頼された原稿で、昨年末が締切だったのだが、6カ月すぎても、全然書けていない。
原稿の催促も来ていないので、なかなか書く気も起こらない。
そうしたところ、先日、同じ雑誌から、別のテーマで原稿依頼が来た。
どういうこっちゃ???
まだ前の原稿も出していないというのに、なぜ、別の原稿依頼が来るのか?
前の原稿を書けていないヤツに、新しい原稿が書けるとでも、思っているのだろうか?
ははあーん。さては、以前私に原稿依頼したことを、忘れているのだな。
書かない方も書かない方だが、依頼する方も依頼する方だ。
もっとよく調べてから、依頼してきなさい!
…と、原稿ため込み党の私ととしては、あれこれと開き直って、自己正当化するのである。
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コメント
「原稿ため込み党」などとうそぶいて見ても、しょせん書けないものは書けやしない。
あー、いつまで嘘をつけばいいのか。
「○○に驕るものたちは○○によって滅ぶ」というのは、すべてにあてはまる本質であるように思う。「原稿に驕るものたちは原稿によって滅び」なんて、まさに今、どこぞで起こっていることそのまんまじゃん。
昨今起こっている、さまざまな出来事は、すべてこの理屈で説明できるではないか。
とすれば、私たちがめざすことは、じつにはっきりしている。
原稿を筆者のもとに取り戻せ。
原稿料を筆者のもとに取り戻せ。
クレームは編集部止まりでお願いします。
…じつに単純明快である。
だがこんな単純なことに、多くの人は向き合おうとはしない。
それが私には、不思議でならない。
もういいいや、死んじまおうっと、
自分が空けた原稿の穴にドボーン。
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小林君 他人様(ひとさま)の文章をパロっておいて、なんてオチにしているんですか。まったくファンタジーのかけらもない。
こぶ郎 そんなことはない。本文記事を読んだら、ファンタジー落語の傑作「あたま山」風のオチが先に浮かんじゃったんで、もお。
小林君 そんなことより明智先生、あの人ですよね(チラリ)。
こぶ郎 小林君もそう思うかね(チラリ)。
小林君 この寿司屋に通って幾年月、とうとう先生の推理の正しさが証明される時が来ましたね。
こぶ郎 まさかご本人に、注文したお寿司を持ってきてもらえるとは、もうファンタジーそのものだよ、小林君。
なんて話をしてたら、事情を知らない同席者が、明智先生がかつてこの店が有名人の実家だと推理してたことを、ご本人が近くにいるのに、大声でしゃべり始めちゃった。
なんか、スゲー恥ずかしい。
ご本人もこっち見てるし。
穴があったら入りたい。
ドボーン。
投稿: 立川こぶぎ | 2014年6月27日 (金) 23時09分
なんと!あの寿司屋にご本人登場!?
居合わせたかったなあ。
10余年越しの望みが叶えられましたな。うらやましいなあ。
せっかく「あたま山」へのオマージュを書いてくれたので、もっと気の利いたコメントを返そうと思ったけれど、ちょっと疲労困憊なので、今日はこのへんで。
投稿: onigawaragonzou | 2014年6月28日 (土) 00時51分