語源俗解
「猫も杓子も」という言葉、わかりますか?
「まったく、猫も杓子もジブリ作品ばかり取りあげやがって!」
「まったく、猫も杓子もお題目みたいにグローバルグローバルって!まずワールドカップの偏狭な応援を何とかしろよ!」
の「猫も杓子も」です。
「どいつもこいつも」という意味ですが、この語源は、一体何なのでしょう?
むかし、こんな説明を受けました。
「猫」というのは禰子。これは、神様に使える禰宜(ねぎ)の子孫のことを言います。
「杓子」というのは「釈子」。つまり、釈尊(ブッダ)の弟子のことを言います。
ということで、「猫も杓子も」とは、「神様を信ずる人も、仏さまを信ずる人も」というのが本来の意味で、それが転じて、「誰もかれも」という意味になったのです。
なるほど、と思わせる説明です。
ところが、です。
そのとき同時に、こんなことも聞きました。
「これはもっともらしい語源の説明だが、語源俗解である」と。
語源俗解。つまり、学問的にはまったく根拠のない、俗説である、と。
しかしインターネットで調べてみると、この語源の説明がなされている場合が多く、あたかも、これが本当の語源のように書かれているものもあります。
はたしてこの説は、語源俗解なのか、そうでないのか?
ずーっとむかしから、気になっていることです。
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