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工房見学

7月28日(月)

大きい湖のある県の、とある場所で、朝から職人さんたちと仕事をした。

1時半頃にその仕事が終わり、出張続きで疲れたので、

(今日は早く帰れるかな)

と思っていたら、職人さんが私に言った。

「このあと、お時間ありますか?もしありましたら、これから私どもの会社の工房を、見学に来ませんか?」

「これからですか?」

4月に一緒にこの職人さんたちと仕事をしたときに、「1度ぜひうちの会社の工房を見学してください」と言われていたことを思い出した。

「一度見ていてただければ、私たちがどうやってもの作りをしているのかがわかると思います」

「ぜひお願いします」

ということで、急遽、K市にある職人さんたちの会社に、車に乗せてもらって行くことになった。

K市の中心からやや北、閑静な住宅街の中に、その会社があった。

創業100年以上にもなる、伝統の会社である。

工房をひととおり見学して、驚いた。

いま、私たちが作ろうとしているものは、じつに大勢の人たちが関わっていること、そして、想像を絶するような手間暇をかけて作られていることを、初めて知ったのである。

「ご覧になって、いかがですか?」

「…こんなに大変なものだとは、…知りませんでした」

100年以上、守られてきた技術。

もちろん、ここ数年の技術革新により、デジタル操作による省力化がはかられた部分もあった。

しかし、ものを作り上げる最後の部分は、100年にわたる技術の伝承と、職人の経験やセンス、といったものが、大きく作用するのである。

そして何度も失敗を重ねながら、大勢が、それぞれの役割を果たしながら、1つ1つのものを、手作りで作り上げてゆく。

いくらデジタル技術が発達しても、この部分だけは、変わらないのだ。

100年間伝承してきた技術と、それを守り、さらに経験を積み重ねていく職人さんたちのプライド。

その末端に、この4月から関わることになったというのは、いささか興奮する事件である。

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