山に向かって行けば
8月14日(木)
中央道を車で八王子方向に向かう。
ひとつ確かめたいことがあった。
荒井由実(ユーミン)の「中央フリーウェイ」の歌詞の一節、
「右にみえる競馬場、左はビール工場」
の意味については、以前に書いたことがある。
もう一つ引っかかっていたのは、冒頭の歌詞、
「調布基地を追い越し、山に向かって行けば」
という部分である。
(「山に向かって行けば」とあるけれど、山なんかあったかな?)
それを確かめたかったのである。
調布インターをすぎたあたりで、カーステレオでユーミンの「中央フリーウェイ」をかけた。
すると、驚くべき光景が眼前にあらわれる。
たしかに、前方に山が見えたのである!
調布インターを過ぎたあたりから、中央道は、やや西南西方向に進路を変える。
すると前方に、稲城市の多摩丘陵が、忽然と目の前にあらわれてくるのだ。
そうか。この「山」というのは、多摩丘陵のことなのか。
それからほどなくして、中央道はやや西北西に向きを変え、多摩丘陵は見えなくなる。
曲をかけたまま走り続けると、ちょうど「右にみえる競馬場、左はビール工場」の歌詞のあたりで、まず右手に競馬場が見える。
やがてその左前には、ビール工場が見えてくる。
以前にも書いたとおり、ここは絶対に、「右に見える競馬場」の方を先に歌わなくてはいけない。なぜなら、実際に中央道を走っていると、まず右手に競馬場が見え、そのあと、左手にビール工場があらわれるからだ。
そして、歌詞の最後、
「この道はまるで滑走路 夜空に続く」
中央道が、西南西方向から西北西方向に向きを変えると、多摩丘陵は見えなくなり、眼前には遮るものが何もなくなる。目の前に広がるのは、空だけである。
これはまさに、滑走路と呼ぶにふさわしい。
つまり、
「調布基地を追い越し 山に向かって行けば」
↓
「右に見える競馬場 左はビール工場」
↓
「この道はまるで滑走路 夜空に続く」
という流れは、実際に中央道を車で走ってみて、刻一刻と変わってゆく風景や皮膚感覚を、かなり忠実にユーミンが歌詞に仕立てていったことを示しているのである。
もし、あなたの車が中央道で調布インターにさしかかったとき、ユーミンの「中央フリーウェイ」を聴いてみるがよい。
ユーミンの見た風景と皮膚感覚を、追体験できるはずである。
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