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ソウルの品格

東京駅の品格

9月20日(土)のつづき。

休日を棒にふるわけに行かないので、仁川空港からソウル市内に戻って、お昼を久しぶりに、景福宮(キョンボックン)の西側にあるサムゲタンの店「トソクチョン」に行くことにした。

「トソクチョン」といえば、ソウルに来る観光客が、一度は訪れる店である。

お昼時をはずして行ったのだが、それでも、いつものように長蛇の列である。

しかもビックリしたのは、そのほとんどが、中国人観光客なのである。

日本人の姿は、ほとんどみられない。

これが数年前だったら、日本人だらけだったのだ。

しかし、お店の中で聞こえてくるのは、中国語だけである。

すっかり、ソウルに来る外国人観光客が様変わりしてしまったのだな、と思った。

そもそも私がいま泊まっている東大門市場(トンデムンシジャン)のあたりも、中国人観光客でごった返しているのだ。かつては日本語しか聞こえてこなかったのだが。

…もう、私がこの店に来ることはないだろう。

続いて、地下鉄を乗り継いでイテウォンの近くにあるリウム(サムソン美術館)を訪れた。

ここは、韓国で最高の美術品を数多く所有しており、かなり見応えがある。音声ガイドも凝っている。

しかしすっかり疲れてしまった私は、途中で集中力が途切れてしまい、イテウォンの喫茶店で休もうと思い、美術館を出た。

ところが、イテウォンという町は、とてもおしゃれで、私のような者が入ることのできる喫茶店がない。おしゃれなバーみたいな店しかないのだ。

しかもそのおしゃれな店では、昼間っからオシャレな西洋人や若くてオシャレなカップルたちがもれなくビールやカクテルみたいなやつを飲んでいるではないか!

もともとイテウォンは、米軍基地に近いことから、米軍向けの商業地域として発達した。そうしたこともあり、アメリカナイズされたお店が多いのである。

…うーむ。ここも私の居場所ではない。

地下鉄に乗り、安国駅で降りて、仁寺洞(インサドン)に向かう。

仁寺洞は、日本でいう浅草の仲見世みたいな場所である。

だが土曜日の夕方の仁寺洞は、外国人観光客と、韓国人のカップルでごった返している。

そもそも、どこへ行っても、外国人観光客と、韓国人の若いカップルばかりである。もっとも、私も外国人なのだが。

何なんだ?韓国では土曜日は「デートの日」なのか???

悪趣味ながら、カップルたちを観察してみたが、どのカップルも、所在なく歩いている。それでいて、どこか「必死」である。

どうも「土曜日はデートの日」という強迫観念にとらわれているとしか思えない。

それはともかく。

仁寺洞も、私の居場所ではなかった。

鍾路3街(チョンノ3ガ)まで歩いて、ようやく喫茶店に入ることができた。

そしてそこから、東大門のモーテルまで歩いて帰った。

ビックリするほど狭い、息苦しくなるような東大門のモーテルの部屋で考える。

もう、ソウルには私の居場所はないのかもしれない、と。

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コメント

土曜といえば国楽院土曜名品公演。夜は「別別演戯」もやっているし。マニアックすぎて、外国人どころか韓国人だって少ないですから。

ちなみに、昨日より「こぶぎ長老夫妻」こと両親がアパートに来ていて、日曜日の本日は私めの運転でこれからK教会へ送り届けてまいりますので、そちらも信心深く「汝矣島(ヨイド)の踊る教会」あたりに行かれて厄払いされたらよろしいかと。

投稿: 居場所こぶぎ | 2014年9月21日 (日) 10時02分

あれ、ナイスミドル路線はどうなったんですか(笑)。
ハイパー激務お疲れ様ですが、腰が心配です。「あれ」はだいたい朝襲ってきます。経験4度の私が言うのだから信用できます。くれぐれもお気をつけて。

投稿: ぎっくりひょん | 2014年9月21日 (日) 11時18分

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