助監督Cから、最後のお願い
10月11日(土)
先日、こぶぎさんがくれたコメントの「オチ」の部分を、諸般の事情によりこちらで勝手に書き換えたら、
「それぢゃオチないぞ!まるで最初から面白くないコントを書いていたみたいじゃないか!」
との抗議がきて、その顛末を、自身のブログで詳しく書いておられる。
たしかに、コメントを勝手に編集したのは申し訳なかったなあ、と思い、お詫びのしるしに、いままでこのブログの中で曖昧な表現で書いていたことをひとつだけ、明らかにすることにする。
ここ最近、私は「イベント準備で忙しい」と書いてきたが、その「イベント」というのは、「展覧会」のことである!
…え?みんな知ってた?
来週水曜日、15日から、いよいよスタートする。
今週はその準備に追われていたのである。
大規模な展覧会の実施に関わる、という経験は、まったくの初めてなのだが、経験してみて、わかったことがある。
それは、展覧会の準備というのは、映画製作とか、舞台公演とよく似ているのではないか、と。
…といっても、映画製作にも舞台公演にも関わったことがないので、想像で言っているにすぎないのだが。
企画をして、脚本を書いて、キャストを決めて、演出をして、公開する。
展覧会は、まさにこの一連の流れによって成立する。
そして、美術さん、大道具さん、小道具さん、照明さんなど、じつに多くの「職人さん」もかかわっている。彼らが、監督の指示のもと、展示を具体化していく。
まさに、映画のスタッフと同じである。
しかも、「完璧」をめざそうとすると、実に細部にわたって、地味な作業が必要となる。
映画でいえば、「構図」とか「ライティング」とかいったものである。
「1センチ左」とか、「1ルクス下」といった、微妙な調整を、すべての展示品についておこなう。
見せ方ひとつひとつに、細部までこだわる。
それでいて、展示品ひとつひとつの健康状態に、常に配慮しなければならない。
私が好きな「神は細部に宿る」の言葉通り、細部にまでひとつひとつ想いを込めれば、その展示に、生命が吹き込まれるのではないか。
…と、エラそうなことを書いているが、「じゃあお前は、映画製作でいえば、どんな役割を果たしたんだ?」というと、
「助監督C」
くらいの立場で、この展覧会にかかわった。
新米助監督である。
助監督なので、監督を補佐して、さまざまな仕事をおこなった。
脚本をお手伝いしたり、3週間ほどかけて、キャストを集めたり、協力会社の方々と、接待のために深酒をしたり…。
今週はずっと、朝から晩まで、展示場にはりついて、監督と一緒に準備をしていた。
そして夜8時半、ようやく、展示が完成した!
この1週間、忍耐勝負の仕事で、監督も私も、意識朦朧で、クタクタである。
これだけ苦労しても、なかなか、この苦労は、わかってもらえないのだろうな。
…ということで、助監督Cから、最後のお願いです。
もしお時間があれば、10月15日から12月14日まで開催される展覧会に、ぜひお立ち寄りください。
「難解な内容だ」との批判は、甘んじて受けます。
お時間が合えば、私がご案内します。
もし見に来ていただければ、嬉しくて涙が出ます。
それでは、お元気で、ごきげんよう。
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