くたばれ!グローバル
10月22日(水)
またまた旅の空です。
今回は、福岡から電車で1時間半ほどの町です。
夜にこちらに着いて、晩飯はイカの活き作り定食を食べました!
明日からこちらで仕事です。
さて。
時代はいま、グローバルなのだそうだ。
「前の職場」でも、「グローバル」にかかわる仕事をしたことがあるのだが、この「グローバル」について、ずっと違和感を感じていた。
その違和感の正体が、最近、なんとなくわかってきた。
日本でいう「グローバル」とは、「与しやすい国と仲よくなること」なのではないか?
たとえば、「ベトナム」。
「前の職場」では、ベトナムが、グローバル人材育成のための格好のフィールドとして重宝されていた。
最近、日本国内でベトナム人を雇用し、日本流のビジネス感覚を学ばせた上で、現地幹部としてベトナムに送り出す企業が増えているというニュースを見た。
もともとベトナムは、親日の国なのである。
そうか。「前の職場」でもベトナムとの交流に力を入れていたのは、そういうことだったのか。
ベトナムだけではない。
ペルー、インドネシア、ケニア…。前の職場が交流をさかんに進めてきた国は、ことごとくが親日の国である。
これらの国々に対しても、ベトナムに対するとの同じねらいがあるのかもしれない。
これって、首相の外遊についても同じようなことがいえるのではないだろうか。
いまの首相の外遊って、与しやすい国ばかりに行って、行くと具合の悪い国には、行かない。
まあもともとは、財界の意向なのだろうから、財界の意向が国の方針となり、それが大学のグローバル化の掛け声へとつながっているわけである。
学校のクラスでたとえれば、従順そうで仲のよい人にばかりいい顔をして、自分を嫌っている人とは、口もきかない。誤解を解こうともしない。
つまり、仲のいいところにだけ、上から目線でいい顔をしよう、というのが、いま大学が進めているグローバル化なのではないか。
…間違ってたらごめんなさいよ。
でも本当に大切なのは、関係がよくない、とされている人たちに対して、胸襟を開いたり、誤解を解いたりして、信頼関係を築くことではないだろうか。
…ま、こんなこと書いても誰にも理解されないと思うけど。
その点、妻はすごい。
妻はいま、ある国でおこなわれている国際学会に参加しているのだが、そこに集まっている日本を含めた4カ国は、とくに最近、政治的には最悪の関係になっている。
とくに3カ国のうちの1国は、「日本と国交のない国」なのである。
私は出発前、妻に、1つのミッションを出した。
「学会に参加している、国交のない国の人とお話をして、ツーショットの写真を撮ること」
というミッションである。
すると、昨日、出張先から妻からメールが届いた。
「ミッション成功しました!」
なんと、国交のない国の人と、ツーショットで写っている写真が、添付されていたのである。
二人の顔は、どことなくぎこちなかったが、でも二人とも穏やかな顔であった。
まさか本当に実現できるとは…。
もちろん、政治的にはきわめて困難な問題が立ちふさがっており、思想的にも、両者の溝は深い。
だが、一人の人間として、お互いを尊重し合うことは、どのような国の人に対しても、等しくおこなわなければならない。
この写真は、それが可能であることを示していた。
与しがたい国の人たちとも、個々のレベルで信頼関係を築いていくこと。
そういう人材を作ることこそが、本当の「グローバル化」につながるのではないだろうか。
…ま、誰にも理解されないと思うので、読み流してください。
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