燃え尽き症候群
先週の苛酷な仕事がひとまず一段落して、いまは完全な「燃え尽き症候群」である。
何もやる気が起きず、ボーッとして一日を過ごしている。
坂本龍一の音楽ばかり聴いている。
とくに坂本龍一のCM音楽である。
CM音楽は、職業音楽家としての坂本龍一の手腕が遺憾なく発揮されていて、聴いていて実に心地よいのだ。
何も書く気が起こらないので、私が好きなCM曲を2つほど。
この2曲は、坂本龍一の音楽を代表する名曲だと、個人的には思う。
サントリーオールドのこのCM曲は、のちに「Dear.Liz」というタイトルで、坂本龍一のライブなどで演奏されることになる。
「リゲイン」のCMで火がついた坂本龍一の「energy flow(エナジーフロー)」という曲がバカ売れし、インストゥルメンタルのシングルとしては初めて、週間のオリコンチャート1位を記録したことがあったが、同じ時期に作られた「Yamazaki」のほうがいい曲なのに、なぜこちらは売れなかったのだろう、あの曲が売れるんだったら、この曲が売れてもおかしくないのに、と、たしか坂本龍一がどこかで語っていたことを思い出す。
私もまったく同じことを思った。「energy flow」よりも明らかに、こっちの方が名曲である。
たまたまのめぐり合わせで、「energy flow」が万人に評価されたにすぎないのだ。
そう考えると、本当の名曲というのは、万人の評価のかげで埋もれているということが、ざらにあるのだ。
研究だってそうですぜ。
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コメント
付き人 先生、到着しました。
VIP (目が覚めて)随分と遠くまで来ましたね。
付き人 やはり秋の気配を感じるには、北まで来ないと。木々の葉も黄色や赤に少し色づいていますし。
VIP とは言っても、気温5度の午前6時に「バルーン祭り」に連れてこられても、このどこが日本らしい風景なのかね。大体こんな朝っぱらから誰が見に来るかって... いや、結構いるな。
付き人 はい、先生。ご覧の通り、わんさかと観客が集まってございます。その視線の先、熱気球が浮かぶ青空と白い雲をご覧ください。これぞまさに秋の空、和の心を感じませんか。それに気球をよく見ると、ただじっと浮かんでいるのではなくて、上がったり下がったりを繰り返しているでしょう。
VIP おお、そうだな。
付き人 人生も同じことです。上がったり下がったりを繰り返しながら、風向きをつかまえて行くのです。これを「もののあわれ」と呼ばずして、何と言いますか。こんなところが琴線に触れるのか、日本人の大半は小学生のころからバルーニストに憧れておりまして。証拠の歌だって、ちゃんとあるのですよ。
VIP なるほど。このバルーン祭りこそ「燃え尽き症候群」にはうってつけのヒーリングの地という訳だな。それに実はこう見えても、私は若いころは空挺師団にいたのでな、本当は楽しみにしていたのだ。
付き人 はい、そのあたりもしっかり調査済みでして。
VIP そこで折り入って頼みがあるのだが、本日の競技種目である「うさぎ狩り」で「うさぎちゃん気球」を操縦している世界チャンピオンのサイン会が、この後に予定されているはずなんだが、空の散歩に出かけてしまってどこに行ったか皆目見当がつかないのだ。ぜひ彼のサインが欲しいのだが、探してもらえるかな?
付き人 お安いご用です。そこらじゅうの本屋を探し回るよりも簡単ですから。
VIP もう一つ、ここまで来たついでと言っては何だが、隣の県に土蔵を改造した小さな美術収蔵館があるのだが、来月一杯で閉館してしまうんだよ。幻想的な油絵もさることながら、壁一面に国内外の民具やお面なんかが張り尽くされていて、お茶もごちそうになれる。雰囲気がよく実に惜しいので、そこも見ておきたいのだが。
付き人 実は、先生のために特別に熱気球を用意しておりました。しかも、特殊なロープで護衛機と気球をつないで引っ張る段取りになっておりますから、その美術収蔵館であれば、ものの10分もあればたどり着くことができるでしょう。そして「トンボ帰り」ならぬ「バルーン帰り」で引き返せば、午後のレセプション行事にも間に合います。
VIP 100人限定のバルーン体験試乗をするために、一般市民のみなさんは朝5時から並ばないと間に合わなかったのに、いいのかね。
付き人 それはもお、先生はVIP待遇ですから(ニギニギ)。ただ...
VIP ただ?
付き人 レセプション会場付近は大都会ですから、建物が密集していて気球が着陸することができません。そこで上空に差し掛かりましたら、このパラシュートで降下して頂くことになりますが、よろしかったでしょうか。
証拠の歌
http://youtu.be/wtONmeyqjbc
投稿: バルーンこぶぎ | 2014年10月22日 (水) 23時15分
金田一耕助 どうやらこれは、先週末(18日、19日)のお話ですね。
日和警部 すると金田一さん。この「VIPと付き人コント」は、こぶぎさんの週末の過ごし方を書いた日記だと、こう言うのかい?わしはこれを読んで、「社長シリーズ」の森繁久弥と三木のり平しか思い浮かばんかったが。
金田一 いえ、いろいろと調べてみますとね。この日にはこぶぎさんの住む県の隣の県で、バルーン祭りをやっていたようです。受付は午前6時、先着100名で。
日和 なるほど。世界チャンピオンも来たのかな?
金田一 どうやらそのようです。
日和 すると金田一さん。こぶぎさんは、朝早くに、車で峠越えをして、このバルーン祭りに参加したっちゅうことじゃろうか。
金田一 どうやらそのようですね。僕が土曜日返上で、市民講座の講師をしているときにです。
日和 うーむ。すると、隣の県の美術収蔵館というのは?
金田一 この書き方に惑わされましたが、この「隣の県」というのは、こぶぎさんが住む県のことなのです。
日和 なるほど。そう考えればつじつまが合うな。するとこぶぎさんは、この美術収蔵館にも行ったということかな?それにしても、ずいぶんと距離があるぞ。
金田一 日曜日に行ったのではないでしょうか。僕が燃え尽き症候群になっているときに。
日和 なるほど。その可能性はあるな。
金田一 それにしても日和さん。
日和 なんじゃ。
金田一 懐かしいですよ!「気球に乗ってどこまでも」
日和 あんた、この歌を知っとるのか?
金田一 知っているもなにも、小学校高学年のとき、担任の先生が合唱好きだったもので、放課後毎日、クラスのみんなで歌わされましたよ!
日和 そうか。
金田一 担任の先生は、NHK合唱コンクールに出たかったみたいですけど、結局出ませんでした。
日和 じゃあ、思い出の歌というわけじゃな。
金田一 とんでもない。
日和 どうして?
金田一 毎日歌わされたんですよ。どんな美味い魚だって、毎日食わされたらイヤになるでしょう。それと同じです。
投稿: onigawaragonzou | 2014年10月23日 (木) 00時09分