「究極の鉛筆」をいただく
11月15日(土)
昨晩、出張先から戻り、今日は職場で、生まれて初めての「ギャラリートーク」である。
まったく経験がないのでわからなかったが、出たとこ勝負でやるしかない。
少し早めに会場に行ってみたら、ビックリした。
前の勤務地にいたときにお世話になった、Iさんが来ているではないか。
わざわざ片道5時間近くかけて来てくれたのだ。
「まさか、このために来たんじゃないでしょう?」
と私が聞くと、
「もちろんこのために来たんですよ。だって、デビューの日でしょう」
私は感激し、恐縮した。
Iさんとは、職場も専攻も異なっていたが、要所要所で、専門分野にかかわる仕事を一緒にした。頻繁にお会いしていたわけではなかったが、一緒に仕事をしたどれもが、私にとっては印象深いものだった。
午後1時半に開始した「ギャラリートーク」に集まったお客さんは、20人程度。決して多くはなかった。
やはり集客力がないんだな、私は。
「40分程度を目安に説明してください」と事前にいわれていたが、結局1時間半、トークをしてしまった。聴いているほうも疲れたことだろう。
ギャラリートークが終わって、帰りがけにIさんが、鞄から何かを取り出した。
「これ、どうぞ。3月に餞別をお渡しできなかったので」
見ると、プレゼント用に丁寧に包装された箱である。
同世代の男性から、丁寧に包装されたプレゼントをもらうというのは、これまであまり経験がない。
「これは?」
「『究極の鉛筆』ですよ」
「ありがとうございます!」
この稼業、筆記用具として鉛筆を使わなければいけない場面が多いので、まさに私にうってつけの贈り物である。
Iさんとお別れしたあと、包みを開けてみたら、使うのがもったいないくらいの「究極の鉛筆」が入っていた。
大切に使うことにしよう。
応援してくれる人がいるというのは、本当にありがたい。
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