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夜の校舎ノスタルジー

11月28日(金)

夕方、都内での会議が終わり、新幹線で「前の勤務地」に向かう。

明日のイベントで司会をするためである。

夜8時頃に着いた。

(晩ご飯を食べたいが、誰かつきあってくれる人いないかなあ…)

いろいろ思いあたる人をあげてみたが、突然に誘える人が誰一人いないことに気づいた。

いや、突然に誘ったとしても、みんな忙しくてそれどころではないだろう。

ということで、ホテルにチェックインした後、所在ないので、「前の職場」までブラブラと散歩することにした。

(ひょっとして、誰かまだ職場にいるかなあ…)

と思って行ったが、図書館で学生が勉強していたのみで、案の定、仕事部屋のあるフロアーは真っ暗である。

そりゃあそうだ。あの当時、夜遅くまで職場に残っていた私のほうが、どうかしていたのだ。

だが、遅くまで残らないと授業準備や原稿が終わらなかったのだから仕方がない。

みんなどうやって、仕事をこなしているんだろう?

(ここで11年間、過ごしたんだよなあ)

30代をまるまる過ごした。いちばん勉強した時期だったと思う。

そんな感慨に浸りながら、正門を出て、まわり道しながらホテルに戻ることにした。

道すがら、いろいろなことを思い出したりする。

こういうことってないですか?

そういえば、あれって、どうなったんだろう、ということ。

たとえば、私の仕事でいうと、

「こんど、企画物の本を出すので、分担執筆してください」

と依頼が来て、まじめに書いて出したのだが、もう何年も出版される気配がない。

あれって、どうなったんだろう?

…という感じのことである。

散歩していて、そんなことをいろいろと思い出した。

依頼されたことを試行錯誤してなんとか仕上げて、依頼主に送ってみたのだが、それがはたしてうまくいったのかどうか、その後の話を聞いていない。

あれって、どうなったんだろう?

逆のパターンもある。

あることを頼んで、

「まかしておいてください。こちらでいい感じにして仕上げます」

と言われ、

「いい感じに仕上げました」

という報告だけは受け取ったのだが、どんな感じに仕上げたのかはわからない。

あれって、どうなったんだろう?

こういうことこそ、「便りのないのはよい便り」と思い込むしかないのかも知れない。

…と、一人で歩きながら妙に納得した。

そんなことを考えているうちにホテルに戻った。

ゆっくり散歩したおかげで、こちらの冷え込んだ気候にも、少し慣れたようだ。

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コメント

またまた旅の空です。

などと、書いてみたかったので書いてみたものの、今回の旅はホントに運がない。

取材して回っている「公開討論会」は、もともと午後6時半とか7時とか、夕飯どきに重なっていることが多いが、今回は急な選挙で会場がとれなかったのだろう。土日もこの時間帯なのである。

週末でなくても、地方のごはん屋は早仕舞いなのだ。唯一の楽しみである郷土料理にもありつかずに、一昨日の晩飯はイカの一夜干し定食、昨晩はラーメンチャーハンセットですよ。まったくメシ運がない。

運がないのは、それだけではない。この冬こそは職場の近くで雪中遭難しないようにと、資料館に立ち寄ってお参りしてきたら、それみたことか。とたんに寒波到来して雪が降り出す始末。

土地に不慣れで軽装備だったのが遭難の原因だなんて、まったく今の自分の状況ではないか。出張先で雪中遭難してはたまらない。

でも一番残念だったのは、次の街に移動しなくてはいけないために、あの「レイチェル安藤」の公開放送を見られなかったことに尽きる。かつては、この街を訪れる度に、伊那かっぺいのCDとこの人のDVDは必ず買い求めていたほどなのに。

一体全体、これでいいんでば?

投稿: 雪中こぶぎ | 2014年12月 2日 (火) 08時52分

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