「おにぎり」と「おむすび」
11月18日(火)
朝9時から夕方6時過ぎまでひっきりなしに続いた4つの会議が終わり、またまた旅の空です。
日曜日とは反対方向の新幹線にとび乗り、明日は朝から「この時期、最も宿がとれない県」に出張である。
案の定、宿がとれず、隣の県に泊まることになった。
昨日は昨日で、朝9時半から夕方まで休みなく仕事が続いたあと、夕方は上司に連れられて、IT企業の偉い方との懇親会に参加させられた。
そこは、ご夫婦が切り盛りしているお店で、職場で飲み会があったり、職場にお客さんが来たりすると必ず利用する。だんなさんが厨房で料理を作り、気っ風のよさそうなおかみさんが、料理とお酒を運ぶ。私もいつの間にか、すっかり名前を覚えられてしまった。
さて、IT企業の偉い人、というのは、白髪の紳士である。
(IT企業のエリートとなんて、絶対に話はなんか合わないよな…)
と思っていたが、お話ししてみると、これがけっこう話が合うのだ。
ひと言で言えば「座持ちがいい」ということなのだろうが、自慢じみた話も、野心まる出しの話も出てこない。どんな話題にも柔軟に対応し、さらに面白い話の「引き出し」を持っている。目下の人間に対する「上から目線」も、異なる価値観を持つ人に対する「偏見」も持っていない。現政権に批判的なところも、私が描く「IT企業のエリート像」をくつがえすものである。
いままで、「前の職場」とかで「エンジニア系企業の偉い人」と話すと、腹が立つことばかりで、野心まる出しで上から目線で体制派で、みんなそんなものなのだと思っていたが、あれはたんに三流の人間だったということだな。
まあそれはともかく。
宴会が終わり、帰ろうとすると、おかみさんに呼び止められた。
「先生、『おにぎり』と『おむすび』の違い、わかりましたよ」
「え?」
何のことだか、記憶にない。
「ほら、この前いらしたとき、話題になったでしょう」
そういえば何となく思い出した。2週間ほど前、韓国から来たお客さんを接待するためにこの店に来たときのことである。
最後にビックリするくらい美味しい「塩むすび」が出たのだ。
「究極のおむすび」である。
そのときたしか、「おにぎりとおむすびの違いって、何でしょうねえ」という話題を私が出したようなのだ。
こっちはすっかり忘れていたのだが、おかみさんはそれがずっと気になっていたらしい。
「『おにぎり』は女性がよく使う言葉で、『おむすび』は男性がよく使う言葉みたいですよ」
「そうなんですか?」
「ええ。あのあと、『おにぎりに関する研究』というブックレットがあることを知って、取り寄せて読んでみたんです」
なんと、そこまで気にしていたとは!
「薄い本なのに、800円もしたんですよ!先生にお貸ししますから、読んでみてください」
「あ…はい…」
別にこっちはそれほど「おにぎり」と「おむすび」の違いにこだわっていたわけではないのだが、どうやら私がそのとき、「おにぎり」と「おむすび」の違いが気になっていたように見えたらしい。
それでわざわざ調べてくれたのである。
「次にいらしたときに返していただければいいですから」
というが、次にこの店を訪れるのは、今週の金曜日である。
そのときまでに読んで返さないといけないと思い、出張先まで持っていって読んでみた。
…だがこの本を読んでも結局のところ、「おにぎり」と「おむすび」の違いがよくわからない。
「おにぎり」と「おむすび」の違いって、結局何だ?
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コメント
おにぎりに関する研究(第2報)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006424437
投稿: ちゅもくばっぷこぶぎ | 2014年11月19日 (水) 08時12分