ああ!おくすり手帳
11月7日(金)
前回の記事は、太宰治の「水仙」風に書いてみたのだが(どこが?)、なんとも後味の悪い内容になってしまって、ひどく反省した。
これでまた人が離れていくなあ…。
今日はなんということのない話を書く。
月に1度、病院に行って診療を受け、処方箋で薬をもらっているのだが、4月にこちらに引っ越して最初に薬局に行ったとき、「おくすり手帳」というのをもらった。
前の勤務地の病院では、「おくすり手帳」をもらった記憶がない。
「これって、必要なんですか?」
「とても大事なものです。どんな薬を飲んでいるかというのを、記録しておく必要がありますから」
「はあ」
「次回以降も、必ずおくすり手帳を持ってきてください」
「わかりました」
と言ってはみたものの、「おくすり手帳」の重要性というのが、いまひとつわからない。
いろいろなお薬を飲まざるを得ない人にとっては切実なのだろうけれど、私がいま飲んでいる薬は、ずっと同じ薬なので、わざわざ記録する必要はないと思うのだ。
そんな感覚だから、次の月に薬局に行ったときに、「おくすり手帳」をうっかり忘れてしまった。
「すみません。おくすり手帳を忘れてきてしまいました」
「そうですか。じゃあまた作ります」
「いえいえ、前回作ってもらったので、作っていただかなくてもいいです」
「そんなわけにはいけません。とりあえず今日また作りますので、次回いらしたときに、前回作ったおくすり手帳をお持ちください。記録を統合して1冊にまとめますので」
「はあ」
だが、その次の月も、またおくすり手帳を持っていくのを忘れてしまった。
「すみません。またおくすり手帳を忘れてきてしまいました」
薬剤師さんは、またか、という顔をした。
「ではまた作ります」
「いえいえ、もう家には2冊あるんですが」
「ですので、次回いらしたときに、前の二冊を一緒に持ってきてください。記録を統合して1冊にまとめますので」
「はあ」
さらにその次の月も、持っていくのを忘れてしまった。
病院に行く途中に気がついたのだが、わざわざおくすり手帳を取りに家に戻るのは面倒くさい。
「すみません。また忘れてきてしまいました」
薬剤師さんは、完全に呆れ顔である。
どうして持ってこなかったんですか?と責めるような顔をしている。
「次回は必ず持ってきてください」
また、新しいおくすり手帳を作る羽目になった。
われながら、情けない。
だったらふだんからおくすり手帳を持ち歩いていればいいじゃないか、と言われるかもしれないが、月に1度しか必要のないものを、ずっとカバンの中に入れておくのはイヤである。
「どうして持ってこないんですか?」と、薬剤師さんは責めるような顔をするのだが、こっちだって忙しいんだから、そういつもいつもおくすり手帳のことばかり考えているわけにはいかないのだ。
なんだかんだで、自分のおくすり手帳が5,6冊くらいたまってしまった。
(困ったなあ)
これでは、どんどんおくすり手帳が増えるばかりである。
いまさらこれを全部薬局に持っていって、
「1冊にまとめてください」
とお願いしようものなら、
「どうしてこんなになるまで放っておいたんですか!」
と、また薬剤師さんに叱られるに決まっている。
それに、もはや最初のおくすり手帳がどれなのかも、わからなくなってしまった。
こんなことになるなら、日ごろからおくすり手帳を忘れないように心がけておくべきだった。
おくすり手帳のことを考えるだけで、気に病んでしまう。
ああ、薬局に行くのが憂鬱だ。
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コメント
いいんです。そっちが手帳を要らなくても、こっちは必要なんですから。
診療報酬点数表Web 疑義解釈
http://mfeesw.net/qa/tzy/15-2/19-2
僕は毎度欠かさず「お薬手帳」を出していますけど、今、通っている薬局なんか、薬を渡される前に椅子に座らされて、診察の時に言われた検査の数値なんかも説明してくれて、しかも「昭和のいる・こいる」のこいる師匠にしゃべり方までそっくりなので、医者より薬剤師の方がよっぽど親切だと思っていたら、しっかり保険の点数に計上されていたわけだ。なーんだ。
でも、お薬手帳を持っているために薬代が20円安くならなくても、その分、薬の受け渡しの「座持ち」がよくなって、気まずい思いをしなくていいし、なにしろ浅草の大師匠とお話しできる時間が多少長くなると考えるなら、お得だと思いませんか。
ここはいっそ、ケーシー高峰似の薬剤師さんがいる薬局でも探してみたらいかがでしょう?
昭和のいる・こいる
http://youtu.be/3lw6DfsM_Cw
投稿: 解釈こぶぎ | 2014年11月 8日 (土) 13時06分
今日、中耳炎疑惑で耳鼻科に行ったとき、忘れずに「おくすり手帳」を持っていったのですが、薬は処方されませんでした。まったく、たまに持っていくとこうなる…。
投稿: onigawaragonzou | 2014年11月 9日 (日) 22時24分