眼福の調査団
11月27日(木)
午後、都内で、「眼福の先生」を囲んで、今後の調査についての打ち合わせがあった。
傘寿を迎えた先生のもとに、私と同世代の研究仲間が4人集まる。
これが、「眼福の先生」を団長とする調査団である。
3年ほど前に、私は初めて「眼福の先生」を職場にお招きした。「前の職場」である。
そのとき、あるものを調査していただき、その成果を講演していただいたことがきっかけで、先生の中に、火がついたらしい。
先生はこれまで以上に全国各地をまわり、私も何度か調査をご一緒した。
そしてついに、調査団が結成されたのである。
「不思議なことに、それまでは腰痛がひどくて、寝たり起きたりの生活だったのに、あれ以来、腰の調子もいい」
調査のために全国を行脚したり、その調査成果をまとめて原稿を書くようになって、健康になったというのである。
ここで私は知るのである。
好奇心こそが、健康の秘訣である、と。
それともうひとつ感じたことがある。
この調査団に参加している私と同世代の4人は、いずれも、「眼福の先生」のもとで勉強したいと思い、先生とともに調査を続けている。
それはひとえに、先生の学問や人柄に対する深い尊敬の念からきている。
もし、自分が傘寿を迎えたとしたら…。
自分のやりたいことに共鳴して、ついてきてくれる「若い衆」が、どれくらいいるだろうか。
そう考えると、4人の「若い衆」がついてきてくれるというのは、「眼福の先生」にとっても、幸福なことなのではないだろうか。
それが、「眼福の先生」の学問的好奇心をさらに増幅させ、生命の活力になっているのである。
会議室は午後2時から5時までおさえていて、「まさか打ち合わせに3時間はかからないだろう」と思っていたら、先生のお話しはとまらず、あっという間に5時になってしまった。
会議室を出た「眼福の先生」が言う。
「雰囲気のいい時間になりましたね」
これはつまり、「一杯やりましょうか」ということである。
だが残念なことに、私たちはこのあと別の用事が入っていたので、「今日は申し訳ありませんが、これで」と申し上げ、先生と一献を傾けることはできなかった。
先生は、まだお話し足りなかったようだ。
私たちはまだまだ、傘寿を迎えた先生から、学ばなければならない。
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