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「究極に飲みたいコーヒー」を飲む

11月10日(月)の続き。

「究極の耳かき」を買った私は、その足で次に、喫茶店に向かった。

プラハで生まれた世界的作家の名前をつけたブックカフェ」である。

はじめてこの店に訪れたとき、食事と一緒にコーヒーを注文したのだが、コーヒーが出てこなかった、という話は前に書いた。

それ以来、この店でコーヒーを飲むことが宿願だったのだが、前回も、飲むチャンスを逸した。

というわけで、「三度目の正直」である。

夕方5時すぎ、

「いらっしゃい」

お店に入ると、店長が一人、そして客は私一人である。

「ご注文は?」

「コーヒーをください」

「かしこまりました」

しばらくして、コーヒーが来た。

「ごゆっくりどうぞ」

Photo

1年かかって、やっとありつけたコーヒー。

期待通りの、優しい味だった。

私がめざしている味である。

昼間の、緊張の忍耐を強いられた仕事が、癒やされる思いだった。

会計の時に店長に話しかけようとしたが、

あれ?

1年前と、ずいぶん印象が違う。

私の記憶が不確かなせいかもしれないが、いまコーヒーを出してくれた方が、本当に店長なのかどうか、自信がなくなったので、話しかけるのをためらって、お店を出た。

お店を出たあと「店長の兄」にメールで報告すると、

「参考になる味だったでしょうか。愚弟に代わってご贔屓に感謝です」

と返信をいただいたので、

「私がめざしている、優しい味でした」

と答えた。

滞在中に、もう1回くらい行けるだろうか。

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