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きりたんぽ鍋の優先順位

12月8日(月)

世の殿方(とのがた)は、どのくらいの頻度でスーパーに買い物に行くのだろう?

私は、スーパーで買い物をするのが好きである。

今日も、帰りがけにスーパーに買い物に行く。

安売りで有名なお店なので、レジにはたくさんの人が並んでいる。しかも誰もが、カゴの中を大量の食料品でいっぱいにしている。

どのレジに並ぶと早く会計をすますことができるか?

私はいつも「レジ運」がない。

私の前は、たいていの場合、大量の食料品をカゴに入れ、財布からお金を出すのに難儀をしている人が多い。

だからいつも待たされるのである。

10分近くたってやっとの思いで会計を済ませてオモテに出たが、「チューブ式の練りからし」を買うのを忘れてしまった。

あわててスーパーに戻り、「チューブ式の練りからし」1本を手に取って、またレジに並ぶ。

するとやはり長蛇の列である。

前に並んでいる数人がいずれも、カゴにいっぱいの食料品を入れている。

こっちは練りからし1本を手に持っているだけなのだが、

(また10分かかるのか…)

とため息をつく。

仕方ない。黙って並ぶしかない。

前に並んでいる女性は、私よりも少し若い感じの人だが、やはりカゴには大量の食料品が入っている。

(仕事帰りに、家族の夕食のおかずを買って帰るんだろうなあ…)

カゴの中を見るとはなしに見てみると、カゴのいちばん上のところに、タマネギだとか、にんじんだとかが入っている。

(今夜は、カレーなのかな?…)

しかし、カレーのルーは入っていない模様。

その下には、長ネギだとか、ニラだとかが見えている。。

(待てよ。カレーじゃなくて、鍋かな?)

「今夜はカレー」説は否定された。

やがて前の人の精算が始まった。

カゴから食料品が次々と取り出され、バーコードで精算をしたそばから、隣のカゴに移されていく。

だんだん、カゴの下にあるものが次々と明らかにされて行く。

キノコ類とか、鍋の具材らしきものが多いことから、「今夜は鍋」説が、ほぼ確定である。

(何の鍋なんだろうなあ…。キムチ鍋かな?。ちゃんこ鍋かな?海鮮鍋かな?)

などと想像をめぐらせながら、次々とカゴの中から取り出されていく食料品を目で追っていく。

すると最後に出てきたのが、「きりたんぽ」の真空パックだった。

(きりたんぽ鍋か!)

ようやく合点がいったのであった。

しかし、である。

「きりたんぽ」とは何のゆかりもないこの首都圏の町で、「きりたんぽ鍋」を、ふつう作るだろうか?

「さあ、今夜は鍋よ!」

と家族の前で宣言するときに、

「今日の鍋は何?」

「きりたんぽ鍋よ」

と答える確率は、どのくらいあるのか?ほとんどないのではないだろうか。

そもそも、「今夜は何鍋にするか?」と思って、「きりたんぽ鍋」を思い浮かべる人は、東京にどれくらいいるのだろうか?

かなり優先順位が低いと思うんだが。

私は15年近く、「きりたんぽ鍋」が有名な県、略称「きりたんぽ県」の隣の県に住んでいたが、その15年近くの間、「きりたんぽ鍋」をしようと思ったことは、ただの一度もない!

私の周りでも、「きりたんぽ鍋」を作った、という話を、聞いたことがなかったのである。

ましてや東京で、「きりたんぽ鍋」を作ろうと思う人は、どのくらいいるのか?

あんまりいないんじゃないだろうか。

その女性は、なぜ「きりたんぽ鍋」にしようと思ったのか?

聞いてみたい衝動にかられたが、聞いてしまうと、カゴの中を全部のぞいていたことがばれてしまうので、やめることにした。

ひょっとして「その女性が『きりたんぽ県』出身だったから」という、単純な理由だったりして。

いったい、「きりたんぽ県」出身以外の人で、「きりたんぽ鍋」を家で作る人は、どのくらい入るのだろう?

これは社会学的に非常に興味深い。

以上、「きりたんぽ鍋」にまつわる、どうでもいい話でした。

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コメント

この時期、冷蔵庫の悩みの種といえば、中途半端にあまった「芋煮のたれ」の使い道よね。

もう芋煮の時期も過ぎちゃったし、こう料理名を決め打ちされると他に使いづらい。

などと冷蔵庫を見回すと、これも中途半端に余ったカット野菜の袋を発見。これは早く食べないと。

そうだ(ヒラメキ)、この残り物で「タップリ野菜の芋抜き芋煮鍋」を作ろうっと(ルンルン)。

お、おいし~い。白菜と豚バラ肉を買い足して、ただ芋煮のたれで煮ただけなのに。

芋煮のたれは、もともと甘目の醤油味だから、そこに白菜の甘味と豚バラの脂が加わると絶妙のハーモーニ―よね。

もはや、本来の芋煮の材料は一切入っていないけど。

さて、今日も寒いから鍋にしようかな。今度は豚肉じゃなくて鶏肉かなあ。

そうか(ヒラメキ×2)、きりたんぽ鍋か!

甘い芋煮のたれに比内鶏の脂が絶妙のハーモニーよね。それに、きりたんぽが入っていれば、ご飯を炊かなくても済むから、すぐ食べられる。

しかし、さっきから、知らないおっさんがあたしの買い物カゴの中を凝視してるけど、なんか気味悪~い。

そんな奴は買い忘れでもして、レジに並び直すといいんだわ。

投稿: ヒラメキこぶぎ | 2014年12月 9日 (火) 11時15分

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