門前の小僧
12月19日(金)
朝4時半に起きて、5時過ぎに家を出て、朝9時の便で成田空港から韓国に向かう。
われながら、よく働くねえ。
ぐうたら生活をしていた学生時代には、考えられなかったことだ。
しかもこんなに不摂生な生活をしているにもかかわらず、零下10度のソウルに降り立っても、風邪一つひくことがない。相変わらず鬱状態ではあるが。
ありがたいことである。
さて、荷物も無事に仁川空港に到着した。
昨日は成田空港の貨物ターミナルに初めて足を踏み入れ、今日は仁川空港の貨物ターミナルに初めて足を踏み入れた。
こういう仕事をしていないと、なかなか見る機会がないのだが、貨物ターミナルというのは、実にワクワクする。
とくに感動したのは、フォークリフトである。
飛行機の貨物便から降ろされた大量の荷物を、一人のおっさんが、フォークリフトに乗せてひとつひとつ運び、それをまたそれぞれのトラックに収納していく。
そのさばき方が、実に見事なのだ。見ていて惚れ惚れする。
ずーっと見ていても飽きないのだ。
吹きっさらしの寒空の下でフォークリフトの動きをじーっと見ていたら、気がついたら1時間以上たっていた。
その間に我々の荷物も、ようやくトラックに積み込まれ、韓国の「トラック野郎」たちによって、所定の場所まで運ばれてゆく。
午後5時、荷物はソウル市内の所定の場所に収納された。
家を出てから、実に12時間が経過していた。
しかしこれはまだ始まったばかり。本当の仕事は、週明けからである。
前回の記事で、「門前の小僧、習わぬ経を読む」と書いたが、よくよく考えると、私自身が、そうやって生きてきたことに気づいた。
今の仕事が、まさにそうである。間近でいろいろなものを見ながら、なんとなくわかった気になっている。
お互いが知識や技術を出し合い、それをまたお互いが「門前の小僧」として、知識や技術を共有しあう。
そういう仕事が、たぶん、やっていて楽しい仕事なんじゃないだろうか。
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